平成262014)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

26−共研−1013

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

6

研究課題名

「鶴岡市における言語調査」データの共同利用と統計解析

フリガナ

代表者氏名

マエダ タダヒコ

前田 忠彦

ローマ字

Maeda Tadahiko

所属機関

統計数理研究所

所属部局

データ科学研究系

職  名

准教授

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 本研究は,統計数理研究所と国立国語研究所の共同による長期的な調査研究「鶴岡市における言語調査」のデータを研究者コミュニティーに向けて公開するための準備を進めるための課題である。
 「鶴岡市における言語調査」は社会言語学的な量的調査研究であり,1950年に第1回の調査を国立国語研究所と統計数理研究所が協力して実施して以来,両機関が共同プロジェクトとして,約20年に1回の間隔で第2回が1971年度,第3回が1991年度と続けられ,2011年度に第4回の共同調査が行われた。「鶴岡市における共通語化」がテーマとなっており,調査デザインとしてはランダム・サンプリング調査とパネル調査を組み合わせたものとなっている。この種の調査デザインで継続されている調査としては,おそらく世界でも最も長期にわたるもので,言語調査の分野では国際的にも高く評価される内容を持っている。
 ランダム・サンプリング調査により,地域社会における共通語化の進行を推定し,他方パネル調査では個人内での共通語化の過程を分析することが目的となっている。
 2011年度の第4回調査は,統計数理研究所がランダム・サンプリング調査(有効サンプルサイズは466)を,国立国語研究所がパネル調査(有効サンプルサイズは333)を担当して進められた。また次の年度中には補完調査として,一部の不備などを再調査した。それらのデータは2013年度までに,録音の聞き取りとコーディングなどをほぼ終え,基本的な集計などが行われている。
 このデータの貴重さに鑑みて,今後は社会言語学・日本語学(方言)分野の研究者に公開し,共同利用を図っていくことを予定している。
 本研究は,インフォーマント(調査対象の個人)の匿名性の確保に十分配慮しつつ,利用者側の使いやすさも備えた共同利用型データの公開のあり方を検討しつつ,分析と成果公表を続けることを目指している。分析面では,参加メンバーがそれぞれに分析目標を定めた統計的な解析を行うこととした。
 平成26年度中は、主に、第4回のランダムサンプリング調査のうち、「語彙・文法」項目と呼ばれる項目群および「言語生活調査票」と呼ばれる自記式アンケート部分の項目の基礎集計を行い、報告書の形で、国立国語研究所との連名で刊行した。
 また関連する口頭の研究発表を世界社会学会議(ISA、2014年7月、横浜市にて開催)行った。
 また、ランダムサンプリング調査の4回分の音声項目データについては、共同利用のための課題(統計数理研究所共同利用研究の共同利用登録制度)の募集を試行的に行い、2件の応募があった。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・「鶴岡市における言語調査」研究グループ (2014) 第4回鶴岡市における言語調査 ランダムサンプリング調査の概要 資料編:第2分冊 「音声・音韻」編, 統計数理研究所・国立国語研究所.
・「鶴岡市における言語調査」研究グループ (2015) 第4回鶴岡市における言語調査 報告書 資料編:第2分冊「語彙・文法,言語生活項目」編, 統計数理研究所・国立国語研究所.



研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

特に開催せず。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

阿部 貴人

国立国語研究所

中村 隆

統計数理研究所

横山 詔一

国立国語研究所

米田 正人

国立国語研究所