平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−32

専門分類

4

研究課題名

経年データによる情報整備とその統計解析

フリガナ

代表者氏名

カネフジ コウジ

金藤 浩司

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計科学情報センター

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

国内各地の主要道路に関する旅行時間計測データを経年的に考察することにより、旅行時間の経年的な変化を統計的に認識することを目的とする。そのために計測データの整備を行い、これに基づいて第1象現で原点を通る或る直線より上にのみデータが存在するときの原点を通る直線回帰モデルのもとでの統計解析を行う。


一般道路における旅行速度の推定手法の解析において物理的な道路条件としての信号交差点密度が旅行時間に与える影響について統計的な解析を行った。本研究では信号交差点密度の他に交通量と関連の深い因子としての車線数にも着目し、これらが旅行時間にどの様な影響を与えるか定量的に捉えようとした。
車両が定められた2地点間を走行するために要する旅行時間の分布については原点未知の3母数逆ガウス型分布を想定して解析した。
解析に用いたデータは全国道路交通情勢調査によって得られた一般交通量調査データである。全国道路交通情勢調査は、建設省、都道府県および指定都市により全国的、組織的に実施されている交通量調査で、一般交通量調査とOD調査とから構成されている。前年度からの共同研究において、昭和60年度実施の全国道路交通情勢調査についての解析結果は、岩瀬晃盛、浦野隆、金藤浩司(1993)にまとめた。
旅行時間への信号交差点密度および車線数の関係を3母数逆ガウス型分布を導入することにより良好な結果を得た。そこで将来予測のためにも単年度のみならず、これまでに収集されていたが今回のような統計手法では、まだ解析されていない複数年に渡るデータの統計解析のためのデータ整備とその解析を継続した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

岩瀬晃盛、浦野隆、金藤浩司、信号交差点密度および車線数の旅行時間への影響に関する統計的解析,Technical Report of Hirosima University Faculty of Engineering.No.93-D1, April 1993.
K.Iwase and K.Kanefuji, Estimation for 3-parameter lognormal distribution with unknown shifted origin,Statistical Papers,35,81-90,1994.


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

第1象現での原点を通る或る直線より上にのみデータが存在するときの原点を通る直線回帰モデルでの母数推定は、原点未知の3母数分布の母数推定問題に帰着する。これらに関する理論的な考察は岩瀬、金藤が行う。考察の対象となる旅行時間データを時系列的に統計処理が可能なように整備する作業は浦野が担当する。理論的なデータ解析は金藤が主に負う。
以上のように貴研究所文献情報の支援と計算機設備の能力が必須であるばかりではなく、広島・筑波と共同研究者が分かれているので、金藤が本研究の中心を担うものである。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

岩瀬 晃盛

広島大学

浦野 隆

建設省土木研究所

橋本 哲男

統計数理研究所