平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−100

専門分類

8

研究課題名

心理的ストレスと健康に関する統計的研究

フリガナ

代表者氏名

ハヤシ フミ

林 文

ローマ字

所属機関

東洋英和女学院大学

所属部局

人間科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

社会や文化の諸要因から受ける心理的ストレスが健康に及ぼす影響のダイナミックについて分析することをめざしているが、本研究では、これまでに完成させたストレス測定のための調査票をもちいて調査を行い、性格とストレスの関係、文化との関係、健康との関係を探ることを目的とする。


社会や文化の諸要因から受ける心理的ストレスが健康に及ぼす影響のダイナミックスについて分析することをめざしているが、本年度は、性格測定とQOL測定の関係について、いくつかのグループについて検討した。
その結果、胃癌患者グループにおいても、癌以外の患者グループにおいても、健康人グループにおいても、耐性を持つ性格と判断された者の方がQOL得点が高くなることが示された。
この性格測定はEPQパーソナリティテストを用いている。QOL測定はここ数年の研究で完成されたもので、自己判断式であるが、その得点の特徴であるとともに、他のQOL測定においても、その解釈には注意すべきであることを示唆するものである。
一方、日系人の研究から、生活の場である社会の影響を超えて、日本人の特長を持ちつづける部分のあることがわかっているが、それが、健康の面にも現れていることがいわれており、文化と健康の社会文化との関連を調べるため、アメリカの日系人調査の企画を練った。
文化の受容の面では、これまでの国民性国際比較調査に基づくもの、性格の面では、上記の性格パーソナリティテストを取り入れることを計画し、健康の面では、アメリカ在住の研究協力者によることを計画した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

山岡和枝, 林 文, 林知己夫, 重久剛, 渡辺満利子, 性格特性のQOL測定への影響, 健康心理学研究, 9.2, pp.11-20, 1997.
Yamaoka K & Watanabe M., Data analysis for Quality of life and personality. in Data Science, classification, and related methods, Hayashi C, et al. eds.Springer-Verlag, Tokyo, pp.774-778, 1997.
山岡和枝:性格特性の Health-related quality of life 測定への影響:癌患者、鍼灸治療患者および一般人での比較, 第10回QOL研究会, 1998.4.25.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

これまで、ストレスの受けとめ方によるパーソナリティ調査票(アイゼンク)を日本において実用可能なものとするための研究を進めてきた。その調査票を用いて、社会・文化的要因の違いによるストレスとその受容の仕方を比較するため、日本国内の一般人及びアメリカの日系人を対象に調査が行われる予定であり、この分析を進める。また、QOLとの関連については一般人に対してデータが集まりつつあり、この分析を進める。本研究は、医学(公衆衛生衛学)の統計的分析や国民性調査、ハワイ・ブラジルの日系人調査、日米を含む7カ国調査などとの関連が深く、これらの研究の蓄積のある統計数理研究所との共同研究が必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

馬場 康維

統計数理研究所

林 知己夫

統計数理研究所

山岡 和枝

帝京大学

吉野 諒三

統計数理研究所