平成262014)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

26−共研−4303

分野分類

統計数理研究所内分野分類

j

主要研究分野分類

6

研究課題名

統計的推論力の育成を目指す初等・中等教育における統計学習プログラムの開発

重点テーマ

統計教育の新展開 II

フリガナ

代表者氏名

カワカミ タカシ

川上 貴

ローマ字

Kawakami Takashi

所属機関

西九州大学

所属部局

子ども学部

職  名

講師

配分経費

研究費

40千円

旅 費

131千円

研究参加者数

5 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究の目的は,中学校段階にも射程を広げ,小学校高学年と中学校1年の両方の統計の授業開発を通して,統計的推論力の発達という視点から小学校と中学校の校種間の連携を明確にし,深めるための理論・実践的方法・教材を開発することであった。具体的には,以下の3つの研究項目の達成をねらった。

(1)統計的推論力の発達を促進する授業構成の視点の導出
ICOTS9(第9回統計教育に関する国際会議)における発表論文を手掛かりとして、統計的推論力に関する世界的な研究動向を調査した結果、統計的推論力の発達を促進する授業構成の視点として「インフォーマルな統計的推測の導入」、「モデリングのアプローチの活用」を見出した。こうした視点に基づき、申請者が行った統計授業を再分析することができた。その成果は、ICOTS9と西九州大学の研究紀要にて発表することができた。 

(2)統計的推論力の発達を促進する教材開発・授業設計・授業実践
 上記(1)で導出された授業構成の視点に基づき,申請者と実践者とで協働して,統計的推論力の発達を意図した小学校と中学校と高等学校の授業を設計し、実践することができた。

(3)統計的推論力の発達プロセスの解明と授業構成に関する理論的枠組みの構築
 上記の実践については、第11回統計教育の方法論ワークショップにて発表したが、詳細な分析については、引き続き継続していく必要がある。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

【論文発表】
川上貴(2015).「中学校との連携を志向した小学校における統計カリキュラムの改善に関する一考察?『統計的推論力』の育成に着目して?」.西九州大学子ども学部紀要,6,13-22.
川上貴(2015).「統計的推論力の育成に関する世界的な研究動向の一考察?ICOTS9の発表論文から?」.統計教育実践研究,7,97-100.
峰野宏祐(2015).「数学的モデリング教材『桜の開花予想』の統計的観点による一考察」.統計教育実践研究,7,163-168.
三輪直也(2015).「病院の待ち時間を題材とした統計授業の開発とその実践」.統計教育実践研究,7,189-190.

【学会発表】
川上貴(2015,3).「統計的推論力の育成に関する世界的な研究動向の一考察?ICOTS9の発表論文から?」.第11回統計教育の方法論ワークショップ,統計数理研究所.
峰野宏祐(2015,3).「数学的モデリング教材『桜の開花予想』の統計的観点による一考察」.第11回統計教育の方法論ワークショップ,統計数理研究所.
三輪直也(2015,3).「病院の待ち時間を題材とした統計授業の開発とその実践」.第11回統計教育の方法論ワークショップ,統計数理研究所.


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

・「統計的推論力の育成を目指した指導の研究動向と実践に関する発表」(2015年3月7 日).統計数理研究所.(第11回統計教育の方法論ワークショップ内にて)
・「統計的推論力の育成を目指した教材開発」(2015年3月8日).統計数理研究所.4名

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

冨田 真永

静岡県立川根高等学校

峰野 宏祐

東京学芸大学

三輪 直也

岐阜県立関有知高等学校