平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−63

専門分類

6

研究課題名

日光地域で見いだされた微少な後続反射波の高精度抽出

フリガナ

代表者氏名

タカナミ テツオ

高波 鐵夫

ローマ字

所属機関

北海道大学

所属部局

理学部

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

日光周辺地域の火山の深部構造を調査するためには、反射波を利用する方法が非常に有力な方法である。しかし、この波は後続であるために一般にノイズとの識別が困難である。ここではこの反射波を如何に精度よく抽出するか、そのための統計的モデリングについて研究する。


1993年9月中旬から11月末に実施された日光周辺地域の地殻上部マントル構造探査の全国合同地震観測でえられた地震波形データから、当地域の不均質構造を探るための波形の処理方法の開発を試みた。すでに知られていた地殻内地震の反射波からマグマ溜まりの存在を確かめるためには、この種の反射波の高精度抽出が重要な作業となる。
我々は、すでにシンポジューム”内陸地震の不均質構造と地震活動”(1995)、及び地震学会(1995)で、反射波の高精度抽出の試みを行ってきた。しかし、実際の記録はノイズに埋もれて精度よく求めることが困難である。今回は、この困難を克服する為の統計的モデルを考え、精度良くノイズとの分離するための統計的手法を開発してきた。しかし、実際はまだ開発途中であり、さらに実験を重ねる必要がある、と言わざるをえない。
したがって平成9年度も引き続き同様の名前で、共同研究を申請した。当初の目的である、反射波の波動論的解釈が可能になるような統計モデルの開発を継続する予定である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

高波鐵夫、浅井康広、北川源四朗、日光地域で見いだされた微少な後続反射波の高精度抽 、地震、1997年

高波鐵夫・小平秀一・一柳昌義・岡山宗男・南雲秀樹・笠原稔・古村孝志・北川源四朗、日光合同地震観測で知れた微少な後続反射波の高精度抽出、地震学会、1995

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

火山地域の地下深部の地殻・上部マントルの不均質構造を高い分解能で探り、内陸地震の発生機構の理解を深めるために、日光地域で高密度地震観測を実施した。すでにこの観測によって地下深部に顕著な反射物体の存在が指摘された。この物体の物理的状態を知るためには、反射波のスペクトル構造を高精度で求める必要がある。しかし、実際の記録はノイズに埋もれて精度よく求めことが困難である。そこでノイズと微少な反射波の統計的モデルを考え、それぞれを精度よく分離するための統計的手法を開発する。この手法を数多くの実際の反射波に適用し、反射物体の物理的状態を求める。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

浅井 康広

北海道大学大学院

北川 源四郎

統計数理研究所