平成クオ1989)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−64

専門分類

研究課題名

自己回帰法による精神分裂病の脳波解析とその統計的検討

フリガナ

代表者氏名

タカハシ カズアキ

高橋 和明

ローマ字

所属機関

国立精神・神経センター

所属部局

精神保健研究所・精神生理部

職  名

室長

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

自己回帰法による臨床脳波の解析における諸問題(最適次数,分析時間,標本間隔)について再検討する。特に要素波に分解する時,その一部に擬似的に負のパワーが生ずることがあるため,特に最適次数の設定について再検討する。又これより求められるAP係数と各要素波のパラメーターを使用し,精神分裂病と正常脳波の比較検討を行う。


精神分裂病の脳波研究のための対照として正常健康成人の脳波について個体差の存在について自己回帰係数を用い多変量解析により検討した。19才〜36才までの健康成人50例(男性27例,女性23例)の安静覚醒閉眼時脳波(左側前頭,頭頂,后頭,側頭の4誘導)に自己回帰法(最適次数10,サンプリング時間15msec,分析時10秒,分析区間数70−100)を適用し,50例より任意に得られる2例間の全組合せについてHotellingのTz検定を施行した。又50例のうち6例について1ケ月后同じ方法で記録し,同一例間の脳波について同様の検討を行った。結果は50例の全ての組合せ共,全誘導共顕著な有意差がみられた。又同一例間でも同様に有意差がみられた。しかし,汎距離については同一例間では非同一例間より顕著な差はみられなかった。これは健康成人脳波に個体差の存在をうたがわせるが,尚今后検討を要する。疾患研究以前の正常脳波の分類についてより詳細な検討が求められる。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

下記の研究発表を行った。
1.第20回日本脳波筋電図学会(平成元年11月)
健康成人脳波の個体差について
2.12th International Congress of Electroencephalography and Clinical Neurophyrology(1990.1)
Inter−individual difference in sponfaneous EEG of normal subjects


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

1.精神分裂病と正常者脳波の比較検討を行うための統計的モデル(AR係数によるクラスター分析,APパラメーターによる主成分分析など)について研究する。
2.臨床脳波の標準的な分析時間(10秒間)における最適次数について,Yule−walker法とBing法の比較検討を行う。(これまで1〜2秒間,最適次数5と固定した時Bing法が優れていると発表されているが,我々の10秒間においてはYule−walker法がより適していると思われる)。
3.TIMSALに直接使用出来るようにするため,電話回線の準備と脳波データの変換及びアナログデータの収集を再検討する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大隅 昇

統計数理研究所

田村 義保

統計数理研究所