平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−108

専門分類

9

研究課題名

人工衛星データによる琵琶湖の水質の解析

フリガナ

代表者氏名

ニシイ リュウエイ

西井 龍映

ローマ字

所属機関

広島大学

所属部局

総合科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

9 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

琵琶湖の水質を保全する事は、琵琶湖の水を利用している数百万人にとっての関心事である。ここでは、人工衛星からの琵琶湖のマルチスペクトルデータを用いて、水質の物理的、化学的、生物学的性質を知るためにどのような解析手法が有効であるかを実験的に試みる。


ランドサット4、5号が登載しているTMセンサーは、衛星の進行方向に垂直にスキャンミラーを振って地表面を走査して、マルチスペクトルデータを送っている。このため、前進走査と後方走査で得た画像は、歪み方が異なるため、補正が必要となる。また、二重に走査したり、まったく走査されない地表面が生じるための補正も必要となる。このような幾何補正を行っても、画像の歪みや縞模様が残ってしまう。
幾何補正にたいし、本研究では多くの地上基準点を設定することにより、画像に歪みを検出し、平面座標の1次、2次の回帰式により、より精密な幾何補正を実現した。また、画像の縦方向に対して1次元のベイズ線形モデルを仮定し、平滑化し、その画像を横方向にも平滑化することにより、画像の平滑化を行うと、従来の平面の平滑化手法より平均2乗誤差の意味で同等の性能を示す高速でメモリーが少なくて実行可能な手法を提案した。
琵琶湖のランドサット5号のマルチスペクトルデータについて、主成分分析を行い、第1、第2主成分の解釈をおこなった。また各主成分の変化を湖面上で追跡し、主成分が汚濁の変化と対応することがわかった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Tanaka,S.,A quantitative aspect of man-land interrelations: case study of deforestation in Japan.Proceedings of International Congress on Modelling and Simulation,Vol.2,1993.Dec.

西井龍映・田中章司郎、主成分分析と正準判別分析によるリモートセンシングデータ解析の比較、第61回日本統計学会、1993年7月21日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

本共同研究に参加予定の滋賀大の教官は、実際に湖水を採取し、琵琶湖を観測している研究者である。そこで琵琶湖を撮影したランドサットのデータの解析結果と、実際の湖水の物理的、化学的、生物的性質とを比較することにより、どの程度のことが衛星データにより知ることができるかを研究する。
まず、各バンドの特性を調べ、主成分分析、クラスター分析、バイバンド法により画像を作成する。水面でさざ波があるときにはスムージングをあらかじめ施しておく必要があり、この面で研究所には強力な研究グループがある。また解析結果を画像化するために研究所の計算機を利用する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

板倉 安正

滋賀大学

遠藤 修一

滋賀大学

金藤 浩司

統計数理研究所

川嶋 崇継

滋賀大学

田中 章司郎

島根大学

水上 善博

滋賀大学

柳本 武美

統計数理研究所

山添 史郎

滋賀大学