平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−80

専門分類

8

研究課題名

人間関係意識の国際比較方法の研究

フリガナ

代表者氏名

ハヤシ フミ

林 文

ローマ字

所属機関

東洋英和女学院大学

所属部局

人間科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

欧米諸国における歌舞伎公演アンケートの分析や中国の社会調査結果を基にして,各国間の感動の構造・人間関係意識の国際比較を行う。これらのデータを通して,新しい視点に立つ分析方法を開発し,国際比較研究・国際相互理解の核となる情報をとり出す。


平成3年度は、前年度にひきつづき、中国との比較調査の分析を進めた。また、イーストウェストセンターから台湾のデータについて中国と同様の分析結果が得られたので、それについて検討した。単純集計の比較では、台湾が中国と日本の間にある項目も特異な項目もあり、どちらに近いのかの傾向は、問題により様々である。問題によっては、極端に意見が一方に片寄っているものもある。パータン分類の結果も理解し難いが、これらのデータは、我々が自由に解析をすることができないためもあり、分析しきれていない。時代も変化してきているので、我々の独自の比較調査を計画することになった。
これまでの国際比較研究で、日本とアメリカとフランスとの比較を考えるとき、ハワイの日系人、ブラジルの日系人が比較のつなぎとして重要な役目を果たしていることがわかっており、日中比較には台湾の調査データが是非必要である。また林が参加したバンコクにおける研究会(イーストウェストセンターのG.Chu 教授を中心とする)で、アジア諸国が近代化の中で自国の伝統文化をいかに評価し調和させていくかという問題意識が強く語られており、ここで我々の立場から、文化の変容を捉える研究を進めていく重要性が認識された。
既に報告されているが、特別推進研究による5カ国調査や、ブラジルの日系人の調査(別研究費による)から、人間関係意識の違いが抽出され、日本における義理人情に代表される意識や、より一般的な他人への暖かさといった意識が探られつつある。このことについてもアジア諸国との比較を考える必要があり、これらの比較に適切な調査質問の構成を検討するなど、新たな調査の準備を進めた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

C. Hayashi and Godwin C. Chu : Continuity and Change in Japanese Culture, International Research Symposium
on Cultural Change in Asia and U.S., July 12-18, 1991, Asia Hotel, Bangkok.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

歌舞伎公演アンケートについては,これまでのデータを再分析する。特に,自由回答について詳しい分析を進める。また,アンケートの質問にも検討を加えて新たなデータを集める。また,中国の社会調査データと,それと比較ができる日本国内のデータとから,比較するべき問題が抽出されてきた。さらに他の東南アジアの国々の調査結果も入手できる予定であり,これらと特別推進研究で得た5カ国調査ともあわせ比較分析を進める。国際比較研究の核となるのは人間の感動の構造・人間関係意識であり,これについての情報をひきだす。これは統計数理研究所の長年の国民性研究,国際比較との関係が大きく,共同研究の必要性がある。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

飽戸 弘

東京大学

岩男 寿美子

慶應義塾大学

河竹 登志夫

早稲田大学

鈴木 達三

帝京平成大学

鈴木 裕久

東京大学

林 知己夫

統計数理研究所