平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−45

専門分類

6

研究課題名

全球気象海洋資料を用いた気象要素の階級別確率予測

フリガナ

代表者氏名

アオキ タカシ

青木 孝

ローマ字

所属機関

気象庁

所属部局

予報部

職  名

予報官

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

15 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

多変量解析等の手法により,過去数十年の気象,海洋および気温の観測資料を使い,月平均の気象要素の階級別出現確率や気圧配置の予想図を求める統計的予測モデルを作成し,長期予報の確率予報のための基礎資料として利用する。


平成2年度までの共同研究では、統計数理研究所で開発された統計解析プログラムなどを用いて、長期予報で必要な月平均気温、降水量および旬平均気温などを予測するための統計モデルを開発した。平成3年度は、これらの統計モデルの改良、および長期予報の確率表現など応用面に主眼をおき研究・開発をおこなった。
(1)類似/反類似法(*1)による統計モデルの予測結果を気温の遷移確率(*2)により補正した。全体としては補正した方がスキルが向上するが、季節、地域によっては改悪になる場合もあり補正には注意を要することがわかった。(*1):サンプル数を増やすために反類似という概念を導入した一種の類似法。(*2):たとえば、前月の気温が高かった場合に今月の気温が「高い」、「平年並」、「低い」になるそれぞれの確率。過去のデータから算出する。
(2)月平均気温を予測するための重回帰モデルを改良した。従属資料期間を1951〜1980年から1961〜1990年に変更したところ、予測精度が向上した。平成4年4月からルーチンモデルを、常に最新の資料で予測式を作成し直す方式に変更した。
(3)旬平均500mbパターンを予測するために、過去20年分のデータを用いた多変量自己回帰モデルを作成した。第2旬以降の精度は良くなかったが、夏を除きこれまでの重回帰法を用いたモデルよりも精度が向上した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・湯田憲一、上野達雄、渡辺典昭、三浦芳敬、石原洋、藤川典久、小島直美
平成3年度 長期予報技術検討会資料(p2〜p50),気象庁予報部,平成4年2月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

統計数理研究所で開発された統計解析プログラム等を用いて,日本各地の月平均の気温や降水量,日照時間,500mb高度場を予測する統計モデルを作成する。重回帰分析では一定の成果が得られたが,判別分析による予測は十分なスキルがなかった。今後は多変量自己回帰法や類似法などの手法を適用し,予報精度の向上をはかるとともに予報の確率表現方法について検討する。長期予報作業の客観化と,長期予報に確率を付加するための予報資料の作成において,適切な統計的解析や統計的予測技術の向上のためにはこの共同研究が必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

赤池 弘次

統計数理研究所

荒畑 恵美子

統計数理研究所

石黒 真木夫

統計数理研究所

上野 達雄

気象庁

岡崎 卓

統計数理研究所

尾形 良彦

統計数理研究所

尾崎 統

統計数理研究所

北川 源四郎

統計数理研究所

坂元 慶行

統計数理研究所

田辺 國士

統計数理研究所

田村 義保

統計数理研究所

土谷 隆

統計数理研究所

湯田 憲一

気象庁

渡辺 典昭

気象庁