昭和61（1986）年度　共同研究実施報告書

課題番号	61−共研−42			専門分類		6
研究課題名	地震波の自動処理に関する研究
フリガナ 代表者氏名	キタガワ　ゲンシロウ 北川　源四郎			ローマ字
所属機関	統計数理研究所
所属部局	予測制御研究系
職　　名	教授
所在地
TEL				FAX
E-mail
URL
配分経費	研究費	0千円	旅　費		0千円		研究参加者数	6　人

研究目的と成果（経過）の概要

地震予知は社会的にも大きな関心を集める重要な問題であり，地震予知を目的とした観測網が各地に設けられている。そこから得られる大量の情報を有効に利用するためには，得られたデータを自動的に処理，解析するシステムを開発することが必要である。この研究では，非定常時系列モデルの利用あるいは新しいモデルの導入によって地震データの自動処理のための新しい方法論を開発，し実地に検証することを目的とする。


地震波形の自動処理に関する研究を行なった。
地震波形の自動抽出に関しては前年度に開発した状態空間モデルの３次元版を開発し上下，東西，南北の３成分波形からＰ波とＳ波の分離を試みた。この方法はＰ波とＳ波の振動方向の違いを利用するものである。Ｐ波は圧力波で，波の入射方向にそって振動する３次元空間中の１次元的な波動である。これに対し，Ｓ波は入射方向に垂直な平面上で振動する２次元的な波動である。したがって入射方向さえ推定できれば，この方法を利用してＰ波とＳ波のモデルを同定することが可能である。現在のところ，この入射方向の推定は時系列の主成分分析を利用して行なっている。しかし実際には，反射波の存在によって入射方向は時々刻々変化していくので，今後，この点を改良したモデルの開発が必要である。
震源の推定に関しては，前年度に引きづづき，地震波の到着時刻推定を行なったときのモデルの尤度から到着時刻の事後分布を求め，この分布を誤差分布として震源パラメータを最尤法により推定する方法を研究した。

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

地震波の識別と分類
物理探査学会６１年１１月，高波鉄夫，岡田広，北川源四郎

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

地震予知は社会的にも大きな関心を集める重要な問題であり，地震予知を目的とした観測網が各地に設けられている。そこから得られる大量の情報を有効に利用するためには，得られたデータを自動的に処理，解析するシステムを開発することが必要である。この研究では，非定常時系列モデルの利用あるいは新しいモデルの導入によって地震データの自動処理のための新しい方法論を開発，し実地に検証することを目的とする。

研究参加者一覧
氏名	所属機関
伊藤 秀美	気象研究所
尾形　良彦	統計数理研究所
Gersch　Wilbert, Milton	University of Hawaii
高波　鐵夫	北海道大学
横田　崇	気象研究所