平成101998)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

10−共研−76

専門分類

7

研究課題名

体力測定の信頼性評価に関する研究

フリガナ

代表者氏名

マエダ タダヒコ

前田 忠彦

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

体育測定の分野では,同一種目の繰り返し測定データが得られる機会が多い。この種のデータに対して(計量心理学分野で用いる意味での)信頼性を評価する方法が必要とされるが,体育測定の分野で標準化された手続きが確立されているわけではない。本研究では中学生の体力測定のデータを用い,計量心理学的な手法を援用して,繰り返し測定型のデータに対する有効な分析方法を研究することを目的とする。


本研究は、中学生の体力測定のデータを用い、繰り返し測定型のデータに対する有効な分析方法を研究し、体力測定の信頼性を評価するための手法を提案することを目的として行われた。またこれに関連して、スポーツ科学を含む行動科学の諸分野で利用される「数量化III類」について、軸の斜交化を含む方法に関する研究(稲垣(1998))も併せて行った。
体力の繰り返し測定型データに関する主たる検討点は以下の2点である。
1) 各測定項目に関し2回の測定が行われており、このデータ特性を配慮しつつ複数項目間の関係を仮説検証的なアプローチに基づいて分析する方法の考察とその適用。
2) 各測定項目は中学3年間にわたって追跡調査されており、このデータ特性を考慮した分析法の考察とその適用。
前年度中に第1点への一応の結論を得たので、本年度は第2点を中心に検討を進めた。考察対象は、3学年×各学年の2回測定=計6回の反復測定であるが、この測定デザイン全体に即した分析モデルでは必ずしも有効な分析結果が得られておらず、学年内の2回の測定を平均したデータに基づく分析方法の検討も併せて行った。分析種目数を増やし因子構造が多因子的になる場合に成功を見ていないが、種目数を絞り、一因子構造を得やすいケースでは適合のよいモデル特定法の見通しを得たので、このシンプルなケースでの分析結果に関する報告を準備中である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

稲垣 敦 (1998) 「斜交数量化理論III類」 CIRCULAR (日本体育学会測定評価専門分科会機関誌) Vol.58.
前田忠彦・稲垣 敦 「反復体力測定データの解析法」(準備中)
稲垣 敦・前田忠彦 「男子中学生の体格の発育に及ぼす生活諸条件の検討」(準備中)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

[研究内容]中学生を対象とする既存の体力測定データに基づき研究を行う。データの特性に合わせた以下の2点が具体的な研究内容であるが,平成9年度は第1の点に関して小規模なデータに対する分析モデルを考察した。平成10年度は第1の型のデータへの分析モデルの拡張と,第2点に示した型のデータに対する分析モデルの考察が目標となる。 1.各測定項目に関し2回の測定が行われており,このデータ特性を配慮しつつ複数項目間の関係を仮説検証的なアプローチに基づいて分析する方法の考案とその適用。 2.各測定項目は中学3年間にわたって追跡調査されており,このデータ特性を考慮した分析法の考案とその適用。[共同研究の必要性]体育測定の専門家でありこれまで同種のデータに関する分析経験が豊富でな稲垣と心理測定の専門家である前田が,緊密な協力の下に研究を進めることが必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

稲垣 敦

大分県立看護科学大学