平成222010)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

22−共研−2016

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

5

研究課題名

統計モデルによる高次スペクトル推定法の開発とその応用

フリガナ

代表者氏名

テラダ ダイスケ

寺田 大介

ローマ字

Daisuke Terada

所属機関

独立行政法人国立高等専門学校機構 広島商船高等専門学校

所属部局

商船学科

職  名

准教授

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究では、統計モデルに基づく高次スペクトル推定法において、赤池情報量規準(AIC)によるモデルの客観的な評価法を取り入れた新しい高次スペクトル推定法の開発し、同方法を海洋波および船体動揺の時系列解析へ応用することを目的とする。
今年度は、高次スペクトルとしてバイスペクトル、統計モデルとして非正規型雑音で駆動される線形自己回帰モデル(「非正規線形ARモデル」)に着目した。
本研究の特徴は、従来のバイスペクトル推定法の欠点を全て解決できる点にある。バイスペクトル推定法としてはノンパラメトリック推定法とパラメトリック推定法があるが、それぞれに欠点を有している。前者では滑らかなスペクトルを得るために使用するウインドウの選択に主観が入るという点であり、後者ではモデルを評価する際に最小2乗誤差が使用されているが必ずしも統計的に最良なモデルを選択していると言えない点である。
提案した方法は、非正規線形ARモデルを用いたパラメトリック推定法の一種である。本研究では、非正規線形AR係数の推定を状態推定の問題としてとらえ、非正規線形AR係数を推定するために自己組織型状態空間(SOSS)モデルで定式化した。SOSSモデルは非線形モデルであることから、状態推定は粒子フィルタの一種である北川所長によって開発されたモンテカルロフィルタで行った。モンテカルロフィルタではモデルの尤度を近似的に求めることができることから、モデルの評価はAICを用いて客観的に決定した。
提案した方法の有効性を確認するために簡単な数値実験を行った。その結果その有効性が確認できたので、実船実験で得られた動揺時系列の解析を行った。実船データの解析においてもその有効性が確認できた。
今後はトライスペクトルの推定や雑音の統計的な性質などに関して検討する予定である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

学会発表(予定)
学会:日本船舶海洋工学会
日時:平成23年5月19日
題目:非正規自己回帰モデルによる横揺れのバイスペクトル推定
著者:寺田大介,北川源四郎,松田秋彦
参考URL:
http://www.jasnaoe.or.jp/lecture/lec_h23spr/guide.html
http://www.jasnaoe.or.jp/lecture/lec_h23spr/dl/lec_h23spr.pdf

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

なし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

北川 源四郎

統計数理研究所