平成101998)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

10−共研−69

専門分類

7

研究課題名

生活習慣病の一要因としての肥満の疫学

フリガナ

代表者氏名

ニシカワ ヒロアキ

西川 浩昭

ローマ字

所属機関

筑波大学

所属部局

医療技術短期大学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

8 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

肥満は、生活習慣病の一要因に挙げられているが、生活習慣病、肥満ともに個人の生活習慣や食習慣とのかかわりが強いことは言うまでもない。そのため、生活習慣病に対する肥満のリスクの程度は明らかにされていない。本研究では、この様な前提に基づいて、肥満、生活習慣・食習慣、生活習慣病の関連を明らかにすることを目的としている。


生活習慣と肥満との関連を明らかにする目的で、長野県の一山村に居住する婦人(以下長野と略)を対象として、生活習慣についての質問票による調査と、肥満度の指標として対象者の皮下脂肪厚を測定し、両者の関連について検討した。さらに地域による差異についても検討することを試みて、都内に居住する同年代の婦人(以下東京と略)についての同様の調査を実施した。
対象数は、長野237名(40歳代116名,50歳代121名)、東京163名(40歳代79名,50歳代84名)であった。調査は長野は平成10年10月に、東京は同年11月に実施した。身体計測と質問票による生活習慣を調査した。身体計測として、身長、体重および身体各部(8部位)の皮下脂肪厚を測定した。なお、皮下脂肪厚の測定には、Aモード式超音波皮下脂肪厚計を用いた。
生活習慣として扱った項目は、生活規則性、不定愁訴、心身の安定性、食習慣、食嗜好、運動習慣などであり、さらに既往歴および過去の体重などについても調査した。皮下脂肪厚について、次元圧縮を目的として主成分分析を行ない、その第一主成分を体脂肪に関する成分とみなし、主成分得点をもって肥満度についての変数とした。肥満度と関連が見られた項目としては、生活規則性、心身の安定性、運動習慣であり、なかでも生活規則性との関連が強かった。運動習慣については、定期的な運動よりも日常生活の中で積極的に体を動かしていることがより望ましかった。他方食事に関連した変数では、有意な関連は認められなかった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

民族衛生を予定

平成11年度の日本公衆衛生学会総会を予定

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

申請者らが、研究のフィールドとして長期に亙る観察を継続している、長野県の一山村の住民と、都内の労働者を対象として、肥満度の測定、生活習慣・食習慣についての質問票調査を実施する。さらに、両群の検診結果から、生活習慣病とくに循環器系疾患の状態に関する情報を入手する。情報の得られた者の中から、地域・性・年齢・疾患の程度に基づいて分類し、肥満度、生活習慣・食習慣について群間の比較を行う。さらに、多重ロジスティックモデル解析、数量化理論、共分散構造解析などの多変量解析の手法を用いて、肥満と生活習慣病との関連に対して交絡要因となる、生活習慣・食習慣の影響を除去し、肥満と生活習慣病との真の関係を明らかにする。なお、こうした解析を行う際には、統計分析の専門家である統計数理研究所のスタッフの協力は不可欠である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

城川 美佳

東邦大学

駒澤 勉

統計数理研究所

高木 廣文

統計数理研究所

高柳 満喜子

東邦大学

豊川 裕之

東邦大学

中谷 弥栄子

東邦大学

松井 研一

東邦大学