平成142002)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

14−共研−2045

専門分類

7

研究課題名

臨床統計研究組織の役割とあり方の検討

フリガナ

代表者氏名

ヤナギモト タケミ

柳本 武美

ローマ字

YANAGIMOTO, Takemi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

11 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

臨床統計を始めとした健康保健統計研究組織の必要性が強く叫ばれている。この組織のより具体
的な役割についてと、その役割を果たすための実際的なあり方について検討を行うことを目的とし
た。またこれを支える人材を育成する体制も整備が進んでいる。
 統計的方法に基づいたデータが科学的データの中心的な役割を果たしている。しかも個々の研究
にはしばしば独自の条件を持つので、画一的な方法を適用して事が済む訳ではない。その為に統計
的方法の新しい技術と新しい適用方法を開発する組織が必要となる。こうした研究体制としては、
教育・試験実施を担うCRO、NPO、医療施設における試験支援体制等巾広い研究体制の整備が
必要である。我が国においても充実が進んでいる。
 この研究は2年間行われたが、その間にも大きく変化した。医療施設ではトランスレーショナル・
リサーチ(実装研究)として進められた。探索された治療法を実装化する(翻訳する)ための研究
としてとらえる。教育では、総合科学技術会議が人材養成を必要とする新興分野として生物統計(臨
床に関連する)を挙げている。また産業界ではアウトソーシングと専門化を志向して、CROの充
実が急速に進んでいる。この変化は、規制のハーモナイゼーションと企業競争の国際化が外部から
の圧力として働いている。一方で、実際に有効な治療を開発することの困難さを治療の現場が気づ
いていることにある。
 柳本は質の高い証拠を得るための方策としての研究組織を研究した。比江島は山梨医大での臨床
試験支援施設の立ち上げを進めている。大橋はNPOの形態による臨床試験支援施設を立ち上げて
いる。佐藤は京大病院での支援組織の充実に協力している。藤井は宮崎医大での研究支援の体制を
整備している。味村は薬学教育における臨床評価の位置づけの考察を行っている。大きく変化して
いる薬学教育の方向を探るために貢献している。
 この研究の周辺は、爆発的とも言える勢いで進展している。しかし組織の改編と立ち上げが焦眉
であり、純粋研究としての段階を越えたと考えられるので2年間をもって終了した。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

柳本武美,「統計的検定の困難を回避する柔軟な試験計画」,第70回 日本統計学会
柳本武美,「科学的認識論の試験計画への含意」,科学哲学会
柳本武美,「ハザード認知 ? 食品リスク評価の一視点 ?」,科学と社会2002
味村良雄,「医療・薬学系の統計学」(共著),ムイスリ出版

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大橋 靖雄

東京大学

佐藤 俊哉

京都大学

竹内 正弘

北里大学

津谷 喜一郎

東京大学

椿 広計

筑波大学

藤井 良宣

宮崎大学

藤澤 洋徳

統計数理研究所

松井 研一

シミック株式会社

味村 良雄

神戸薬科大学

山本 英二

岡山理科大学