平成152003)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

15−共研−2020

専門分類

4

研究課題名

女性の自立意識についての構造分析

フリガナ

代表者氏名

タカクラ セツコ

高倉 節子

ローマ字

Takakura Setsuko

所属機関

長崎純心大学

所属部局

大学院

職  名

非常勤講師

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本年度の研究では、特に、2回の調査(1994,2000年度の2回実施)における結果の
類似点、相違点について、更に精緻な構造的分析を行い、探索していくことにあった。
 そこで、先ず、女性の自立、男性の自立に関して、17の項目(経済的自立、精神的自
立、生活上の自立などに関する項目)の各の重要度を問うた設問(Q15)について、数
量化3類を適用した。その結果、各項目は、経済的自立、精神的自立、生活上の自立、に
類型化される事が見られた。そして、この類型化は、2回の調査結果の分析に関して、極
めて類似のパタンを示していることが見られ、女性の自立(或いは、男性の自立)に関し
て、何を以て自立と考えるかの意識構造が、2回の調査間の6年間の差異にも拘わらず、
極めて類似であることが把握された。
 更に、自由回答に関しても、WordMinerの解析ソフトを駆使して、詳細に分析した。
即ち、自由回答を分かち書きにし、構成要素に分解し、その出現パタンに対応分析を適用
するが、この際、構成要素の選択や、合成をきめ細かく行うことによって、前年度に行った分
析より、一層精緻な結果が得られた。この結果を2回の調査結果への適用で、比較してみると
やはり、類似なパタンが現れ、第2回の方が、記述が少なく、やや単純化の傾向も見られたも
のの、意識構造としては、類似と見られることが把握できた。
 なお、「男女の籍にこだわらない共同生活についての意見を問うた質問(Q22)」は、
第2回の調査においてのみ設けたので、2回の調査の比較はできないものの、これに関
して、前年度、アフターコーディングによる方法との比較を行った。そして、Word-
Minerによると、構造的な様相はかなり明きらかに見られるものの、全体的様相の明白な
把握は困難であるとの結論を得たが、本年度、更に、構成要素の選択、合成を、細かく行っ
た所、全体的様相も概略的には見えることが解り、今後、この方法の使い方を更に探索する
ことにより、所謂「聞き取り調査」のまとめにも、適用できるのではないかと考えられる。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1)高倉節子,村田磨理子,大隅昇:「自由回答データの取得方法と分析についての検討?『女性の自
立意識』調査データを通して?」日本行動計量学会第28回大会・(特別セッション)発表論文抄録集
(2000.10)
2)村田磨理子,高倉節子,大隅昇:「自由回答の分析」第67回日本統計学会大会講演報告集
(1999.)
3)村田磨理子,高倉節子,大隅昇:「女性の自立意識調査?比較調査による検証?」第69回日本統
計学会大会講演報告集(2001.9.)
4)高倉節子,村田磨理子,大隅昇:「女性の自立意識調査における自由回答の分析?1994年調査と2001
年調査の比較を踏まえて?」日本行動計量学会第29回大会発表論文抄録集(2001.9.)
5)女性の意識研究グループ(代表:高倉節子)「『女性の自立意識』の研究」1994年度東京女性
財団・助成研究報告書(1995.3.)
6)女性の自立意識・共同研究(研究代表者:高倉節子)「女性の自立意識」統計数理研究所共同研究
リポート147(2002.3.)
7)高倉節子:「Consciousness of Women's Attitude toward Independence-applying correspondence analysis and
textual data analysis-」8th Conference of the International Federation of Classification Societiesにて発表(於
Krakow(Poland))(2002.7.)
8)高倉節子:「女性の自立意識?2回の調査を踏まえて?」国際女性学会2002年大会・発表要旨集
(2002.9.)
9)高倉節子,村田磨理子:「ある自由回答についての分析?アフターコーディングによる方法と
WordMinerによる方法との比較検討?」日本分類学会第19回研究報告会・研究報告予稿集(2003.
3.)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上松 由紀子

関東学院短期大学

大隅 昇

統計数理研究所

村田 磨理子

(財)統計情報研究開発センター

横原 東

電通リサーチ

吉村 宰

独立行政法人 大学入試センター