平成132001)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

13−共研−2042

専門分類

7

研究課題名

類洞の立体構造に影響を及ぼす肝細胞の形状 --- その統計的解析

フリガナ

代表者氏名

タネムラ マサハル

種村 正美

ローマ字

Tanemura Masaharu

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

多面体であるヒトの肝細胞と肝癌細胞について、個々の細胞の面数の分布・類洞(微小血管網)に
接する面数を求め、その結果をもとにシミューレーション実験を行い、類洞の立体構造の差を生じ
させているメカニズムを解明することを目的として研究中である。
 本年度は、ヒトの肝硬変組織に関して昨年度の共同研究経費で購入したRhodamineで標識した
Phalloidinを反応させ、レーザー共焦点顕微鏡で観察して作成した120枚の画像を今年度の経費で導入した
最新のソフトウェアAdobe Photoshopによって画像処理をして、より精密なデータの構築の準備を行った
(末吉)。
 清水は、肝臓における類洞のネットワーク構造を格子型のモデルで構築するアプローチを新しく
開始した。今年度は2次元の正方格子(正方形の領域を40x40の格子に分け、格子点をつなぐ
結合を類洞と見なす)のモデルについて考察した(詳細は添付資料を参照)。
 種村は、3次元の点配置を球のランダム逐次充填によって実現して、得られた配置にVoronoi
分割およびDelaunay分割を行うことによってネットワークを構築するアプローチを昨年度に
引き続いて行って、一定の成果を得た(詳細は添付資料を参照)。
 今後は、以上の成果をもとに3次元の格子型ネットワーク、および3次元のランダム構造の
ネットワークの二つのアプローチをさらに追求して、それらの優れた点を肝臓の類洞ネットワーク
のより良いモデルに生かすことが望まれる。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

論文:
高木隆司・奈良昌則・清水英男「コンピュータによる肝臓組織構築の試み」、形の科学会誌第16巻
第1号,pp.40-41。
高木隆司・奈良昌則・西川哲治・清水英男「コンピュータによる肝臓組織構築の試み(?)」、
形の科学会誌第16巻第2号,pp.137-138。
学会等発表:
高木隆司・奈良昌則・清水英男「コンピュータによる肝臓組織構築の試み」、第51回形の科学シンポ
ジウム,2001年7月27日,統計数理研究所(東京)。
高木隆司・奈良昌則・西川哲治・清水英男「コンピュータによる肝臓組織構築の試み(?)」、
第52回形の科学シンポジウム,2002年11月10日,埼玉大学(さいたま市)。
清水英男:「肝硬変の類洞網はなぜ粗いのか?」東邦大学肝カンファレンス・招待講演,東京,
2001年10月3日。
M.Tanemura:"Voronoi and Delaunay divisions of point systems and their statistics",
ISM Symposium'Statistics and Discrete Geometry',2002年3月26日,統計数理
研究所(東京)。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

清水 英男

湘南鎌倉総合病院

末吉 徳芳

順天堂大学