平成252013)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

25−共研−2022

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

3

研究課題名

介護保険における要介護度認定・サービス受給のコウホート分析

フリガナ

代表者氏名

ナカムラ タカシ

中村 隆

ローマ字

Nakamura Takashi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

データ科学研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 本研究の目的は,介護保険における要介護度認定とサービス受給について,その特徴を年齢・時代・世代要因の影響の観点から明らかにすることである。
 今年度は「介護給付費実態調査」(厚生労働省)のうち、平成13年から平成22年までの各年10月審査分における「要介護(要支援)状態区分・性別・年齢階級別受給者数」を用いて、本邦の介護保険における要介護認定のコウホート(Age-Period-Cohort , APC)分析を行った。
 受給率の算出にあたっては、対応する各年10月1日現在人口の「全国・年齢(各歳)・男女別人口(総人口)」(総務省統計局)を用いて、人口に対する受給者の割合を算出した。年齢区分は、40-64歳、65歳以上は5歳階級として90歳までとした(平成22年については「85歳以上」という区分の人口しか発表されていないため、85歳まで)。要介護区分は、「要支援以上(要支援・要介護全体)」「要介護1以上」「要介護2以上」「要介護3以上」「要介護4以上」「要介護5以上」という6つの区分を設定し、それぞれの割合についてAPC分析を行った。APC分析は、中村のベイズ型コウホート分析モデルを用いた。
 その結果、時代効果については男女ともに「要支援以上(要支援・要介護全体)」で平成13年から17年にかけて上昇し、それ以降効果はほぼ横ばいであった。このことは、当初から数年かけて制度が普及し、近年においてサービス受給が安定してきたことを示していると考えらえる。また「要介護1以上」の時代効果は平成18年以降低下傾向にあり、「要支援以上」との差から、「要支援」の比率が増えてきていることを意味し、要支援が要支援1・2に分かれ、介護予防に重点が置かれ始めたことを反映していると考えられる。年齢効果については、65歳以上において、ほぼ直線的に(ロジット尺度上で)上昇していた。また65歳未満の年齢効果については、65歳以上の直線傾向を下方延長したものよりも下回っていた。世代効果は、1940年代生まれ前後でやや低い状況がみられ、また1960年代生まれ前後で、世代効果がやや高い傾向がみられた。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

関連するこれまでの学会発表等

[1] 村田加奈子, 中村隆.
介護保険における要介護度別の要介護度維持改善率と生存率の推移, 第72回日本公衆衛生学会総会抄録集, p.420.
(2013/10/23-25、三重県総合文化センター)

[2] 村田加奈子, 中村隆.
介護保険の要介護度別サービス受給者率の動向---Age-Period-Cohort分析による, 第70回日本公衆衛生学会総会抄録集, p.147.
(2011/10/19-21、秋田県民会館)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

開催はありませんでした。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

村田 加奈子

昭和大学