平成212009)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

21−共研−4106

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

3

研究課題名

シロイヌナズナ属野生種における、適応遺伝子の空間分布と環境勾配

重点テーマ

フィールド生態学と統計数理

フリガナ

代表者氏名

タナカ ケンタ

田中 健太

ローマ字

Tanaka Kenta

所属機関

筑波大学生命環境科学研究科

所属部局

菅平高原実験センター

職  名

助教

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

遺伝学・生態学・統計数理学の融合研究の発展が見込まれるシロイヌナズナ属野生種の一つ、ミヤマハタザオ(Arabidopsis kamchatica ssp. kamchatica)は、同一緯度帯の標高30から3000mまで分布する。この稀に見る標高適応は、どのような遺伝子の多型とかかわっているのだろうか。また、これらの遺伝子座における対立遺伝子は、標高が作る環境傾度の中でどのように空間分布しているのだろうか。新解析手法の開発を進めながら、自然選択に中立な遺伝子および、様々な方法で推定された適応遺伝子の対立遺伝子の空間分布の違いを、環境傾度と対応させて明らかにすることを本研究の目的である。様々な標高に分布する約30の野外集団に永久調査区を設け、個体群生態学的調査を開始した。その結果、標高によって異なる死亡要因によって集団の存続が規定されている空間パターンが見えてきた。また、各集団からDNA用の試料を採集済みである。今後は、様々な遺伝子座における対立遺伝子の空間分布を明らかにしていくことで、自然選択の推定を含む進化生物学的な発展が可能になってくる。そのための統計解析手法について、現地の植物分布状態や、対象植物の生物学を基礎におきながら、討論することができた。このような検討を継続することで、ジーンフローと適応進化を統合させた新たな空間統計遺伝学的手法の開発に向けて進むことができるだろう。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

田中健太(2010)新世代遺伝手法を生態学にどう活かす?第57回日本生態学会 公募シンポジウム「新世代遺伝手法が拓く生態学」, 東京

恩田義彦・田中健太(2010)標高が変わると死ぬ季節は変わるか?−標高分布の広いミヤマハタザオの場合−, 第57回日本生態学会, 東京

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

恩田 義彦

筑波大学

島谷 健一郎

統計数理研究所