平成202008)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

20−共研−2013

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

7

研究課題名

中国における動的生産関数の構築と経済成長要因の統計分析

フリガナ

代表者氏名

キョウ コウキ

姜 興起

ローマ字

Kyo Koki

所属機関

帯広畜産大学

所属部局

畜産学部畜産科学科

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

100千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究では、まずベイズ法によって中国における動的生産関数のモデル構築を行う。次に、このモデルの推定結果を用いて、最近60年間における中国経済の成長要因を考察し、中国のマクロ経済パフォーマンスに対する政策的要因や制度的要因の影響を分析する。また、中国経済の動学的一般均衡モデルの構築も視野に入れる。
周知のように、最近60年間の中国では社会主義経済への移行から始まり、大躍進や文化大革命などの政治経済運動を経た後、対外開放政策の実施に伴い経済の自由化が促進され、今日に至っている。我々は、こうした政治経済的な動きに付随して、しばしば生産性の急激な変動が生じうることを経験的知見として得た。本研究においては、Cobb-Douglas型の生産関数を基本モデルとし、説明変数として国内総生産、従属変数として、物的資本、人的資本および技術的・制度的要因を考慮する。また、全要素生産性と各説明変数の要素弾力性のパラメータに時変構造を導入する。これらの時変パラメータの頑健な推定値が得られるように、平滑化事前分布を用いたベイズ型モデルを構築し、時変パラメータの推定を行う。さらに、時変パラメータの推定結果に基づいて中国の経済成長の決定要因を探り、経済発展の特徴を理論的・実証的に解明する。
本研究課題の当初の目標は平成20年度中に達成された。平成20年7月までの期間中、基礎データ収集・整理・補完などの作業を進めながら、基本モデルを構築し、その成果を7月ブラジルで開催された国際会議MaxEnt 2008にて報告した。次いで、8月から10月までの期間においてはモデルの彫琢を試み、中国大陸と台湾との比較分析を行った。その結果はDiscussion Paperにまとめて公表した。11月から平成20年2月までの期間は、時変パラメータにおける急激な変化の対処法としてmethod of random groupingを開発し、推定結果の吟味・推敲と補充計算を行った。その成果は国際会議IASC2008において報告した。そして、平成20年3月までの期間中に最終研究成果をまとめ、論文の作成と学術誌への投稿を進めてきた。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

(1) K. Kyo and H. Noda, Bayesian analysis of the dynamic structure in China’s economic growth, Proceedings of MaxEnt 2008, 2008.
(2) H. Noda and K. Kyo, Bayesian analysis of economic growth in Taiwan and Mainland China via dynamic production function, Discussion Paper Series, No.2008-E04, Yamagata University, 2008.
(3) K. Kyo and H. Noda, Bayesian estimation of the dynamic production function for Taiwan and Mainland China, Proceedings of IASC2008, 2008.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

北川 源四郎

統計数理研究所

野田 英雄

山形大学