平成202008)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

20−共研−1016

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

7

研究課題名

政治参加と社会貢献に関する計量分析

フリガナ

代表者氏名

マツモト ワタル

松本 渉

ローマ字

Matsumoto Wataru

所属機関

統計数理研究所

所属部局

データ科学研究系

職  名

助教

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

小選挙区制の導入,新自由主義政権の台頭,ボランタリー活動の活発化といった,ここ十数年の社会情勢をみても,投票行動を中心とする典型的な政治行動や社会貢献のような社会参画をともなう行動は,古くて新しい重要な研究テーマといえる。しかしその一方,日本における政治学的現象の研究の多くは,十分な調査データが存在しなかったなど諸要因によって,統計科学の知見が未だ十分に活用されてきたとは言い難い。そこで,本研究では,2007年度に実施された市民社会調査のデータや公表されている統計データを用いて,人々の政治参加や社会貢献についての行動と意識のメカニズムを明らかにする,という計量政治学的な研究を進める。
2008年度は,今日の社会調査をとりまく状況をレビューした上で,市民社会調査の結果についての精度の評価を行い,具体的なデータ解析を進めるための基礎的研究を行った。その上で,日本社会に安全保障政策に対する意識形成の要因や日本人の安全保障観と投票行動などを明らかにする研究を行った。
これらの研究は,日本人の政治的諸行動のメカニズムを実証的に明らかにするとともに,調査法上および計量政治学上の新しい知見も明らかにすることを期待できるものである。さらに,今後本研究の成果を踏まえて,2008年度の米国調査および2009年度の韓国調査の結果についても同様の分析がなされることで,近年あらためて重要性が認識されてきた東アジア周辺の国際情勢について有益な示唆が得られることも期待できるものとなっている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

学会発表
(1) 松本渉「市民社会調査を実施して −調査環境と調査誤差−」(特別セッション:市民社会の調査と分析)日本行動計量学会第36回大会,成蹊大学,2008年9月5日.(『日本行動計量学会第36回大会発表論文抄録集』255-258)
(2) 西舘崇・芝井清久・松本渉「市民社会調査のデータ分析から考える安全保障政策に対する意識形成の要因」(特別セッション:市民社会の調査と分析)日本行動計量学会第36回大会,成蹊大学,2008年9月5日.(『日本行動計量学会第36回大会発表論文抄録集』259-262)
(3) 芝井清久・西舘崇・松本渉「日本人の安全保障観と投票行動 ?市民社会調査の結果から?」(特別セッション:市民社会の調査と分析)日本行動計量学会第36回大会,成蹊大学,2008年9月5日.(『日本行動計量学会第36回大会発表論文抄録集』263-266)

報告書
(1) Matsumoto, Wataru & Maeda, Tadahiko (2008) Cross-National Comparison of Political Participation and Social Contribution: Japan Survey Report −English Edition−. (統計数理研究所研究リポート98),統計数理研究所,2008年12月.
(2) 松本渉・吉野諒三(編著)『市民の政治参加と社会貢献の国際比較?米国調査報告書?』統計数理研究所,2009年3月.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

芝井 清久

上智大学

二階堂 晃祐

シカゴ大学

西舘 崇

東京大学

藤田 泰昌

外務省

山本 洋

法政大学