昭和601985)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

60−共研−40

専門分類

7

研究課題名

幼児の成長,発達における要因分析の手法の研究

フリガナ

代表者氏名

イシグロ マキオ

石黒 真木夫

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

幼児保育のカリキュラムを作成するための科学的な資料を得るために幼児の成長,発達の実態を正確に把握することが必要であると思われる。そこで現在の幼児に対してその能力,興味要求等を全国的に調査しこれを有効な統計的手法により分析する。


就学前保育のカリキュラム内容の科学的考察のための資料を得るため,幼児の成長,発達の実態を正確に把握することが必要である。幼児の成長,発達に関する調査の中で特に生活能力の発達に関する調査資料に基づき次の分析手法による検討を行った。
1.各生活能力調査項目のサンプル属性項目に関する変数選択最適モデル
予備的な解析として赤池情報量規準(AIC)を利用して分割表解析を行なうCATDAP(桂,坂本1980)を用いてすべての調査項目各々についてその達成度を最もよく説明する要因の組合せを求めた。この結果,例えば基本的生活習慣系統の項目を説明する要因として性別,祖母の有無に関係する要因が統計的に大きな影響を持つことが明らかになった。
2.生活能力得点のサンプル属性に関する分散分析。
生活能力得点の動きを説明するモデルとして,いづれのサンプル属性項目の組合せによるモデルが最適かを求めるため,AICによる変数選択分散分析モデル(VARMOD坂本,石黒,北川1983)を適用した。
生活能力に寄与する最適なサンプル属性項目の組合せによるモデルを得,また,各項目及びカテゴリーそれぞれの寄与率を得ることにより,生活能力とサンプル属性との間の確率的な構造を明白にとらえることができた。
3.調査項目の年令による到達率曲線のクラスター分析,および数量化III類による分析
131項目の生活能力調査項目で類似した到達率パターンを示す項目同志をまとめるクラスター分析(MINTS大隅1985)を行った。クラスター内での連続順位が求められる数種の階層的手法を用い,分類内の類似性が頑強であると考えられるクラスターを得ることができた。また,数量化III類によるパターン分類における相互関連性の強い項目と,クラスター分析でのデンドログラムの連続順位を併せて考察することにより,調査項目の再検討を行うことができた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

第7回国際幼児教育学会大会
「生活能力の発達曲線のクラスター分析」
村山貞雄,松原達哉,
二宮玲子,和泉沙稚子


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

幼児の成長,発達を次の10の領域に分け,これを調査した
1.運動的発達 2.知的発達
3.言語的発達 4.情緒,社会的発達
5.音感・リズム感の発達 6.手の器用さと描画の発達
7.道徳的発達 8.宗教意識の発達
9.遊びの発達 10.生活能力の発達
調査の方法は主として質問手法,幼児に直接インタビューする方法をとった。これらの調査資料をもとに要因分析手法の理論的側面を石黒が,その実証的側面を村山,松原,二宮,和泉が相当する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

和泉 沙稚子

日本女子大学大学院

坂元 慶行

統計数理研究所

二宮 玲子

日本女子大学

松原 達哉

筑波大学

村山 貞雄

日本女子大学