平成262014)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

26−共研−1002

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

4

研究課題名

海洋データ同化システムに用いる誤差分散共分散行列の作成に関する研究(5)

フリガナ

代表者氏名

フジイ ヨウスケ

藤井 陽介

ローマ字

Fujii Yosuke

所属機関

気象庁気象研究所

所属部局

海洋・地球化学研究部第2研究室

職  名

主任研究官

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

海洋データ同化システムにおいては、モデルとデータの情報を統計的に最適な方法で融合させるために、観測データ、及び、モデルの予報誤差についての正則な誤差共分散行列を必要である。しかし、海洋データ同化システムで扱う観測データやモデルの予報変数の数は非常に多いため、適切な誤差共分散行列の作成に十分な数のサンプルを用意するのは困難である。そこで、グラフィカルモデルの導入により誤差共分散行列を推定し、得られた行列を気象研究所海洋データ同化システムに適用し、その有用性について検討することを目的としている。

本年度は統計数理研究所のスーパーコンピュータの導入がなされたため、計算機資源(メモリ、計算時間)の面から実行が難しかった1度刻み (34330地点) のデータを用いたグラフィカルモデルの推定が部分的ではあるが可能になった。その結果、海面水温のデータに対しては、4近傍以遠の地点間の条件付き独立性を仮定した場合に共分散行列を推定することができた。同時に、推定の収束判定条件が現状のものでは厳しすぎ、再考する必要があることが明らかになった。また、海面高度のデータに対して同様のグラフィカルモデルの推定を行い、条件付き独立の仮定の範囲を44近傍と非常に大きくとった場合でも推定が可能であることがわかった。一方で、モデル選択の観点では、さらに近傍範囲を広くとるべきであるという指針が得られた。今後は、収束判定条件と近傍範囲の拡大、およびアルゴリズムの高速化を進めたい。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

上野 玄太, 2014: グラフベース・アンサンブルカルマンフィルタ. 第7回気象庁数値モデル研究会・第4回データ同化ワークショップ

藤井 陽介, 2014: アジョ イント開発者に優しいモデルコーディング. 北大低温研研究集会 「海氷海洋モデリングの共通基盤構築に向けて」

藤井 陽介, 2014: データ同化夏の学校入門. 第18回データ同化夏の学校

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究会は開催していない。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上野 玄太

統計数理研究所

碓氷 典久

気象庁気象研究所

蒲地 政文

気象庁気象研究所

土谷 隆

政策研究大学院大学