平成9(1997)年度 共同研究C実施報告書
課題番号 |
9−共研−1 |
専門分類 |
5 |
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研究課題名 |
結晶構造データと幾何学的構造の統計モデル |
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フリガナ 代表者氏名 |
イトウ ヨシアキ 伊藤 栄明 |
ローマ字 |
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所属機関 |
統計数理研究所 |
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所属部局 |
領域統計研究系 |
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職 名 |
教授 |
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所在地 |
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TEL |
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FAX |
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URL |
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配分経費 |
研究費 |
0千円 |
旅 費 |
0千円 |
研究参加者数 |
13 人 |
研究目的と成果(経過)の概要 |
無機結晶の対称性の統計的分布についてデータベースICSD及びCRYSTMETを用いて調べてきた。結晶の種の定義をどのように行なうのが適切であるか等の問題を解決し、これにより各ANX記号ごとに統計的分布をもとめることができた。群、部分群関係のネットワークのうえでのランダムウオークの平衡分布をそれにあてはめた。このことより32種類の点群の出現頻度について、群、部分群関係という視点からの理解ができた。現在までの研究で、上記の課題の計算プログラムも整備する事ができ、無機結晶データについて、統計的に接近する一つの方向を示すことができるようになった。これらの成果を基礎として、さらに、どのような結晶構造がでやすく、どのような構造がでにくいのかという問題についての経験則を群、部分群構造という視点から、より具体的に考察することを目標にする。すなわちより幾何学的構造にふみこんで、出現しやすい構造はなにかについての経験則をあきらかにする。このような代数的、幾何学的構造をもつ統計データについての研究は今後の統計数理の発展の基本的に重要であり、ひとつの典型的な問題として研究をすすめたい。最密充填、離散幾何、結晶科学等を基礎とした結晶構造の幾何確率を提案する。それに基礎をおく統計的なモデルをくみたてることを目標にする。 |
当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等) |
Miyako Fujiwara,Yoshiaki Itoh,Takeo Matsumoto and Hiroshi Takeda, |
研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。 |
無機結晶、有機結晶についてそれぞれデータベーが作成されもちいられている。膨大な情報があるわけであるが、結晶構造にたずさわる研究者は、準結晶、高温超伝導等次、次にでてくる課題の解明にいそがしく、統計的研究の重要さを認識していても実際に行なうのは困難な場合が多い。問題の重要性から考えて統計数理研究所でぜひ行なうべきであると考え研究を進めてきた。国内の代表的な研究者の方々の協力をえられ次第に準備が整い魅力のある課題となりつつあるように思われる。次のように研究を進めたい。(1)約10年間にわたって行ってきた結晶群の出現頻度の確率モデルの研究を、他の 関連する研究者が計算機プログラムを使用できる形にまとめることにより、研究をひとくぎりし、より具体的な、どの様な結晶構造がでやすいかという幾何学的構造の統計についての研究に進む。(2)どのような結晶構造が出現しやすいかという問題について、結晶構造の研究者有限幾何の研究者との討論をかさねる。(3)ICSD, CRYSTMETにおけるデータを最密充填、原子の相互の位置関係 等、結晶群より具体的な視点から解析する。(4)結晶構造の幾何確率ともいうべき研究により基本となる統計モデルを提案したい。過去約10年にわたり、関連する共同研究を行ってきた。最近3年間は毎年共同研究リポートを発行している。1991年には結晶学における主要な学術誌であるActa Crystallographicaに成果が掲載されている。 |
研究参加者一覧 |
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氏名 |
所属機関 |
上田 澄江 |
統計数理研究所 |
大隅 一政 |
高エネルギー加速器研究機構 |
小川 泰 |
筑波大学 |
駒木 文保 |
統計数理研究所 |
武田 弘 |
千葉工業大学付属研究所 |
種村 正美 |
統計数理研究所 |
Vladimir Koptsik |
筑波大学 |
細谷 将彦 |
琉球大学 |
前原 濶 |
琉球大学 |
松本 生 |
金沢大学 |
柳田 達雄 |
北海道大学 |
山本 昭二 |
無機材質研究所 |