平成222010)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

22−共研−4104

分野分類

統計数理研究所内分野分類

j

主要研究分野分類

6

研究課題名

高等教育機関における ICT を活用した統計教育の展開

重点テーマ

統計教育の新展開

フリガナ

代表者氏名

タケウチ アキノブ

竹内 光悦

ローマ字

Takeuchi Akinobu

所属機関

実践女子大学

所属部局

人間社会学部

職  名

准教授

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

1 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

高度情報化社会といわれる現在,データはより多様化,大規模化している.今日のビジネスパーソンにおいても職種,業種を問わずこれらのデータに対して,全く見ず・触れずに業務を遂行することはほとんどなく,社会ではデータから得られる情報を踏まえ,統計的思考力を活用した行動が望まれる.これらのことより大学教育において,統計的リテラシーの習得はもちろんのこと,基礎的な統計的思考力の育成は重要視されている.特に新たに始まる初等中等教育における学習指導要領の変更においても教科算数・数学における統計関連の内容は,より充実することが予定されている.
しかしながら現在および新学習指導要領を受けずに大学に入学する学生においては,これらの初等中等教育における新しい統計に関する学習内容を受講していない.このことから大学の初学年等で実施される統計学の基礎的な講義を受講することが望ましいが,社会科学系など専門的に統計を利用しない学部等においては統計の基礎的な講義であっても必修ではないケースも多く,統計学を全く学ばずに卒業する学生も少なくはない.
本研究ではこれらのことを踏まえ,特に数理系科目が苦手と一般的に言われている私立社会学系女子大学・短期大学における学生を対象に自己学習が可能な統計教育教材の開発に取り掛かり,フリーの教材管理システムmoodle を利用した教材開発に着手した.加えて,携帯端末を用いた簡易データ分析システム(Mobile Chart Editor)を開発し,実験授業を通じて,その教育効果について検証した.実験授業の結果,一部システムの不具合があり十分には検証できなかったが,その必要性や活用度についておおむね好印象であり,学生からのシステムの期待度が高いことが確認できた.また関連のワークショップにおいて,統計教育の研究者・教育者と情報交換も行った.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

ホームページ
Mobile Chart Editor,http://estat.sci.kagoshima-u.ac.jp/mchart/

学会発表
上村尚史・末永勝征・竹内光悦(2011)携帯端末を利用した統計データ処理簡易ツールの開発,統計数理研究所共同研究リポート 260 統計教育実践研究,3,21-24.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

当該研究だけでの研究会の開催ではないが,研究代表者が実行委員長としてワークショップ(第 7 回 統計教育の方法論ワークショップ 問題解決力育成を目指した統計教育の方法論(達成目標・授業実践・評価の枠組み)?新学習指導要領の全面実施に向けて?)を 2011 年 3 月 4 日,5 日に立教大学池袋キャンパス(東京都豊島区西池袋 3-34-1)で開催した.このワークショップでは,統計教育をテーマに当該研究の発表を含み,国際的に著名な研究者の講演をはじめ,統計教育の授業法,教材開発の研究発表および初等中等高等教育者による事例報告など多様な発表が行われた.なお参加者は 2 日間で延べ 250 人である.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関