平成292017)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

29−共研−2012

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

8

研究課題名

気候変動における大気陸面相互作用の統計解析手法

フリガナ

代表者氏名

タカハシ ヒロシ

高橋 洋

ローマ字

Takahashi Hiroshi

所属機関

首都大学東京

所属部局

都市環境科学研究科

職  名

助教

配分経費

研究費

40千円

旅 費

3千円

研究参加者数

7 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

研究概要
人間活動による気候変動の一つである、地表面状態の変化により大気水循環がどのように変わるかについて、全球気候モデル出力結果と領域気候モデル実験から、定量的に評価する手法をH28年度から引き続き検討した。

目的
気候変動により大気水循環(降水量、降水頻度、降水強度、蒸発、水蒸気輸送)がどのように変化するのかについて、洪水や渇水など人間活動に影響が大きな災害とも関連しており、調査すべき重要な課題である。
気候モデル計算の結果は、データが膨大なため、十分な解析がなされていないと考えられる。50年後に平均的な気候場がどのように変化するかは多くの研究があるが、その変動性の変化(ある気象要素のある注目した地域における頻度分布の形の変化など)など人間活動に影響が大きいと考えられるもの研究は少なく、実例としては、強雨頻度の変化くらいしか調べられていない。さらに、気候予測には、気候モデルアンサンブル(もしくは物理モデルアンサンブル)手法が用いられ、かつ各モデルが複数(もしくは多数)のアンサンブルメンバーで計算される(Taylor et al. 2012)ことから、それらの不確実性も考慮する必要がある。本研究では、人間活動に影響の大きな大気水循環の変化について、人間活動の地域性が顕著に現れる地表面状態の変化(大気陸面相互作用)について、全球気候モデル出力の処理と領域気候モデルの実験から調査を行った。

具体的な研究内容について

H28年度に、領域気候モデルの地表面状態を段階的に調整した感度実験を行った。日本と熱帯湿潤域で、大気水循環がどのように変わるかを数値実験により解析した。実験には、スーパーコンピュータシステムを用いた。H29年度には、以下に着手した。

1)段階的な地表面状態の大気水循環へのインパクトを系統的に調べる統計手法を検討。
2)気候変動の長期変動を調べる手法を検討。

成果(経過)について

1)については、現在論文を投稿中で、改訂中である。
2)については、共同研究者にアドバイスをいただき、データ解析の指針が決まりつつある。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Takahashi, H.G. and J. Polcher: Systematic sensitivity of rainfall characteristics and extremes to land-surface conditions over the wet Asian monsoon region. Progress in Earth and Planetary Science. in revision.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

特にありません。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上野 玄太

統計数理研究所

神澤 望

首都大学東京

川崎 能典

統計数理研究所

鈴木 香寿恵

統計数理研究所

Dado, Julie Mae, Borejon

首都大学東京

中野 慎也

統計数理研究所