平成232011)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

23−共研−1

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

3

研究課題名

3次元細胞モデル

フリガナ

代表者氏名

ホンダ ヒサオ

本多 久夫

ローマ字

HONDA HISAO

所属機関

兵庫大学

所属部局

健康科学部

職  名

教授

 

 

研究目的と成果の概要

研究目的は形態形成の機構を解明することである。多細胞生物の形態形成は、構成要素である細胞の振る舞いによって行われる。物理学では物質の構成要素である原子や分子の振る舞いを記述する運動方程式があって、これによりいろいろな物質の性質を説明することに成功している。そこで、生物学にも細胞の振る舞いを記述する「細胞の運動方程式」があれば、形態形成の理解が大いに進むに違いない。われわれは細胞の塊を多面体が充填したものと見なし、多面体の頂点の運動を記述する方程式をつくり、これを基盤とする細胞モデルを構築して形態形成の研究を行っている。
今年度は前年度に引き続き3D細胞モデルをつかって、平面状の上皮シートが陥入をおこす形態形成を研究している。陥入の起こる条件としていくつかの項目を導入してきたが、(1) 角柱のアピカル面が底面に対して収縮または拡大すること、(2) 細胞が胚内部に移動する動きが最重要であると絞り込めた。成果はCold Spring Harbor Lab. The 2011 Meeting on 'Computational Cell Biology'(Cold Spring Harbor Lab. 3/30)、The 49th Annual Meeting of the Biophysical Society of Japan (兵庫県立大学 9/16)、17th International Biophysics Congress (C.N.C.C.,Beijing,11/1-2)で発表した。
また2D細胞モデルを円筒にまるめた3D細胞モデルを使って、一つ一つの細胞に偏った方向性を持った場合、筒がねじれることを示すシミュレーションを行った。