平成222010)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

22−共研−1

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

3

研究課題名

3次元細胞モデル

フリガナ

代表者氏名

ホンダ ヒサオ

本多 久夫

ローマ字

HONDA Hisao

所属機関

兵庫大学

所属部局

健康科学部

職  名

教授

 

 

研究目的と成果の概要

研究目的は形態形成の機構を解明することである。多細胞生物の形態形成は、構成要素である細胞の振る舞いによって行われる。物理学では物質の構成要素である原子や分子の振る舞いを記述する運動方程式があって、これによりいろいろな物質の性質を説明することに成功している。そこで、生物学にも細胞の振る舞いを記述する「細胞の運動方程式」があれば、形態形成の理解が大いに進むに違いない。われわれは細胞の塊を多面体が充填したものと見なし、多面体の頂点の運動を記述する方程式をつくり、これを基盤とする細胞モデルを構築して形態形成の研究を行っている。
 今年度は前年度に引き続き3D細胞モデルをつかって、平面状の上皮シートが陥入をおこす形態形成を研究している。ハエの気管形成開始時に見られる陥入にかなり近い有様をコンピュータシミュレーションにより再現できている。これらは日本発生生物学会第43回大会(京都6.23)、第20回日本数理生物学会大会(北海道大学9/14)および日本生物物理学会第48回年会(東北大学2010.9/20, 21)で発表した。
 また、今回新たに2D細胞モデルを使って、脊椎動物神経管形成における平面の上皮シートからチューブ形成への過程とハエ原腸形成に見られるチューブのねじれ現象についてもシミュレーションによる解析を始めた。