平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−46

専門分類

5

研究課題名

結晶の種の定義と対称性の統計的分布

フリガナ

代表者氏名

イトウ ヨシアキ

伊藤 栄明

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

12 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

結晶の対称性の統計的分布についてデータベースICSDをもちいて結晶の対称性の統計的分布を調べてきた。前年度までの成果は共同研究レポートの形で、計算機プログラム及び、計算結果を、準備中である。結晶について、自然な種の定義法が考えられる。単位格子の体積に注目することにより、種を逐次定義してゆきアルゴリズムを単純にする。対称性の統計的分布の問題は結晶学において、重要である。種の定義を明確にし、以前からの課題であるランダム生成モデルを議論する。


点群Oh及びD6hにおける元を幾何学的な意味に基づいて、3次元の行列により表現する。まずOhの表現を考える。頂点の各座標が+1あるいは-1であるような正六面体を考える。それと合同な位置にもたらすような合同変換のすべてを行列により表現する。それらのうち回転軸が(1,1,1)と(ー1,ー1,ー1)を通る3ーを含むD3dを考え、それを含むD6dの表現を考える。OhとD6dの双方に含まれる位数が最大の部分群はD3dであり、Oh及びD6hの上記の表現はD3dの表現をひとつ共有している。同様に(1,-1,1)と(ー1,1,ー1),(1,1,-1)と(-1,-1,1),(-1,1,1)と(1,-1,-1)について同様なことを行なう。
Ohの表現である48個の行列とD6hの表現である行列が 上記4つの場合についてそれぞれ24個ずつある。24個のうち12個はOhと共通のものであり、したがって全部で96個の行列がある。96個の組合せをすべて考え、そのうち積に関して閉じているものをすべて選び出すと、250個ありそれぞれは32個のいずれかの点群の表現になっている。
無機結晶データベース(ICSD)から点群の出現頻度(藤原,伊藤,松本,武田(1993))をもとめ、群、部分群の関係に基づいて、250個の群のうえのランダムウオークのモデル等により出現頻度を説明することを試みた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

藤原,伊藤,松本,武田,無機結晶データベース(ICSD)を用いた結晶群の出現頻度II,統計数理研究所共同研究リポート66,1994

藤原,伊藤,松本,武田,無機結晶データベース(ICSD)を用いた結晶群の出現頻度(1),日本結晶学会,平成6年11月26日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

結晶の対称性のランダム生成モデルについて研究を行ってきた。データベースICSDをもちいた研究を着実なものにする。科学組成、群、部分群の関係で出現頻度を整理する。空間群の出現頻度を説明、ランダム生成モデルを研究する。そのためには種を適切に定義することが大変な問題であることがわかってきた。この問題に着実にとりくむ。計算機プログラムを整理し、本研究について、おおくの研究者が参加できる形にする。そのうえでランダム生成モデルについて議論したい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大隅 一政

高エネルギー加速器研究機構

小川 泰

筑波大学

武田 弘

千葉工業大学付属研究所

種村 正美

統計数理研究所

T. Krishnan

インド統計研究所

Nespolo Massimo

東京大学大学院

細谷 将彦

琉球大学

松本  生

金沢大学

間野 肇

埼玉大学

三浦 良造

一橋大学

山本 昭二

無機材質研究所