平成272015)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

27−共研−2085

分野分類

統計数理研究所内分野分類

j

主要研究分野分類

9

研究課題名

NIRSデータについて時系列解析の応用と提案

フリガナ

代表者氏名

ミツヤ レイコ

三家 礼子

ローマ字

Mitsuya Reiko

所属機関

早稲田大学

所属部局

理工学術院

職  名

研究員

配分経費

研究費

40千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

心拍、脳血流によるデータを研究に用いて、さらにクリアな結果を見出すために従来ある時系列解析による評価手法の提案を行うことを研究の目的とした。
今回はNIRS信号を解析対象のデータとした。
実験対象は、視覚と触覚の感覚間相互作用である微触感錯覚とした。微触感錯覚は物体が身体の一部に接触する視覚情報によって触覚が認知される現象である。具体的にはCG球体が掌を刺激する映像で温冷覚や風圧等微かな皮膚感覚が認知される。
この実験で取得したNIRS信号に多重解像度解析を行った後、代表値の算出を行った。
多重解像度解析とは、時間周波数解析である離散ウェーブレット変換を用いて信号を階層的に分解する手法である。
その後、VASとOxy-Hbの間に相関が認められたことから、NIRSによる脳血流量測定が錯覚強度の評価に使えることが示唆された。またOxy-Hbは脳の神経活動と強い相関があり、一次体性感覚野の活動が微触感錯覚のメカニズムと関係することも示唆された。
感覚間相互作用の一種である微触感錯覚において、体験記憶が錯覚強度に与える影響を、VASと、NIRSで測定した脳血流量を用いて評価した。結果、具体的な体験記憶は時間経過と共に脳活動抑制の方向に働き、触覚を推定する手掛りのような体験記憶が錯覚強度を増す可能性が示唆された。また、本研究の解析手法を用いるとNIRSで測定した脳血流量が微触感錯覚を評価できることも示唆された。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

板橋智也、太田文也、川口拓也、河合隆史、三家礼子、盛川浩志:体験記憶が微触覚錯覚に与える影響の評価、日本人間工学会第56回大会講演集、Vo.51 特別号、pp134?135、2015.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

なし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

板橋 智也

早稲田大学院

河合 隆史

早稲田大学

高橋 卓

早稲田大学院

田村 義保

統計数理研究所