昭和601985)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

60−共研−31

専門分類

6

研究課題名

電波干渉計データに基づく統計的画像形成処理

フリガナ

代表者氏名

イシグロ マキオ

石黒 真木夫

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

電波干渉計データから電波源分布の画像を形成するにあたっては信号に含まれる系統的,あるいは非系統的な測定誤差を考慮に入れた処理が必要であり,統計的モデルあてはめが本質的に必要とされる。この研究の目的は2次元電波源分布を推定する実用的な方法を開発し同様な処理を要求する広い分野への応用の手がかりを得ることである。


最近の統計解析手法ならびに計算機の発達により,多くの逆問題が統計解析の対象となってきた。本研究で取り扱っている電波干渉計データに基く統計的画像形成処理も,そうした逆問題のひとつである。
電波干渉計データに基く画像形成処理には,大きくは二つの問題点がある。第一の問題点は,画像形成を行なう目的にとっては不完全なデータセットしか得られないこと。第二の問題点は,データが多くの原因に由来する雑音を含んでいることである。
さて,電波干渉計データに基き形成される画像は,ある変量の2次元強度分布として与えられる。この2次元強度分布の周辺分布の形成処理として,ベイズ型モデルによる方法が提案されている。この方法は,雑音を含むデータから有意の情報を引き出すとともに,結果として,欠測値の推定を行なう。従って,ベイズ型モデルによる周辺分布の形成処理を,あらゆる角度方向に対して行なうと,画像形成を行なう目的にとって十分な周波数空間上での推定値のセットを獲得できる。ところが,この推定値のセットを使って2次元の画像形成を行なおうとしたところ,大きくは二つの問題点に直面した。第一の問題点は,データセットが不完全であるが故に,形成された周辺分布の信頼性が,角度方向によってバラつくこと。第二の問題点は,ポイントソースがあるような場合,FFTによって2次元画像を形成すると,サイドローブが必ず発生することである。第二の問題点はそれ程深刻ではないけれども,第一の問題点は本質的である。
これ等の問題点が明らかになった為に,不完全なデータセットから直接2次元画像を形成する重要性が,更に明白となった。現在,その為の方法を開発中である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

既に開発されている一次元画像推定のためのベイズ型モデルあてはめ法を基礎として研究を進める。
研究は全員で緊密な連絡をとりながら進めるが,観測は野辺山宇宙電波観測所のメンバーが中心となって実施し,解析方法の開発は統計数理研究所のメンバーを中心に進める。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石黒 正人

国立天文台

柏木 宣久

統計数理研究所

春日 隆

国立天文台

近田 義広

国立天文台

森田 耕一郎

国立天文台