平成302018)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

30−共研−4210

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

2

研究課題名

文献引用ネットワークの構造解明

重点テーマ

IRのための学術文献データ分析と統計的モデル研究の深化

フリガナ

代表者氏名

ミズタカ ショウゴ

水高 将吾

ローマ字

Mizutaka Shogo

所属機関

茨城大学

所属部局

理学部

職  名

日本学術振興会PD

配分経費

研究費

40千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

ビブリオメトリクスの主な考察対象は個々の論文や著者であり、それらの分析は詳細な現状の把握のために有益である。一方、現状を要約してとらえたり将来像を予測したりするためには、個々の要素を越えた研究トピックや研究者グループの定量的評価が重要となる。よって本研究では学術文献データをネットワークとしてとらえ、そこに現れるグループ構造に注目してきた。近年のネットワーク科学において、グループ構造を特定する手法が数多く提案されている一方で、それらの手法は統計科学的な基礎付けを欠いている。そこで本共同利用を通じてそれらの手法を統計科学的に深化させることにより、学術文献データが内包する複雑な構造を解明することを目指している。
30年度は、各ノードがもつ次数や重みなどの特徴量をネットワーク上のランダムウォーカーを利用してベイズ推定する手法 [Kion-Crosby and Morozov, Phys. Rev. Lett. (2018)] を有向ネットワークに適応できるように推論手法を拡張した。入次数あるいは出次数が0のノード割合の推定を除いて、本手法は概ねうまくいく。0次数割合の推定精度の向上は必要であるがこの拡張により、論文引用関係ネットワークなど大規模有効ネットワークの構造的特徴を従来よりも短時間で推定する基盤を構築したといえる。今後、この研究の発展として実ネットワークへの適用と三角形モチーフ等を抽出する手法への拡張を行う。また、論文引用ネットワーク内の分野間の凝集過程等をネットワーク構造の継時変化から明らかにすることを目指すが、その際にもデータの大きさと照らし合わせて、推論手法を開発する。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

有向グラフの統計的性質の推定に関して、IRのための学術文献データ分析と統計的モデル研究の深化」キックオフミーティングにて"引用関係ネットワークの構造解明"というタイトルで報告を行なった。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

開催していないため該当しない。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

幸若 完壮

University of Bristol

増田 直紀

University of Bristol