平成41992)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

4−共研−38

専門分類

4

研究課題名

「日本人の国民性調査」のための基礎的研究

フリガナ

代表者氏名

サカモト ヨシユキ

坂元 慶行

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

9 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

1991年度は、過去8回にわたる「日本人の国民性調査」の調査データ総合的に分析し、戦後昭和期の日本人の意識動向について一応のまとめを行った。1992年度は、この研究成果に対する関係研究者の意見・論評を参考にしながら、国民性調査の将来の調査法(質問文や実査の方式等)について検討する。


「日本人の国民性調査」は、日本人のものの見方や考え方が、社会的な属性によってどう違うか、過去数十年の間にどう変わってきたかを、計量的方法で分析し、日本人の意識の特徴を明らかにするとともに、それを通じて、新しい統計的手法開発の契機を得ようとするものである。このため、昭和28年から5年毎に、戦後昭和期で8回の全国調査を実施してきた。
この8回の継続調査から、たとえば、(1)政治・社会・生活などに関する意見は大きく変わったが、身近な人間関係に関する意識はあまり変化しなかったこと、(2)戦後日本人の意識は、昭和48年(1973年) の第1次オイル・ショックを転機として、それまでの近代化の進展から一転して伝統回帰へと向かったこと等、重要な事実を見いだすことができた。しかし現在は、これら、近代化、伝統回帰をも越えた新たな次元の意識状況にあり、その意識動向の基軸を解明することが必要である。
そこで、将来の意識動向の把握に備えるため、過去8回の「日本人の国民性調査」をはじめとするいろいろな調査の分析やさまざまな文献の研究によって最近の社会意識状況について知識を整理した。その結果、身近な人間関係観が日本人の意識構造の基底をなすとの認識から、主として人間関係観に関わる質問文を試作した。そして、この質問文を中心に、この共同研究のメンバーの一部が行った調査の結果を分析し、次回の「日本人の国民性 全国調査」のための有力な質問をいくつか得ることができた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

今年度の研究成果ではないが、この研究の最近の結果は、『第5 日本人の国民性』(出光書店、1992)が便利であ
る。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

<研究内容>前年度にひきつづき、過去8回の「日本人の国民性調査」のデータに基づいて、さまざまな角度から、さらに精細なデータ解析を重ね、今後の質問項目の検討を行なう。また、外部の研究者の意見や文献・資料等に基づいて、新しい質問文を開発する。
<共同研究の必要性>継続的な調査研究を成功させるためには、一方で、研究の連続性が必要であると同時に、他方で、その枠組みを拡充・展開していくことが重要である。この調査研究の今後の一層の展開のためには、「日本人の国民性調査」を第1回調査から推進してきた林や西平の参加が必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

鈴木 達三

帝京平成大学

中村 隆

統計数理研究所

西平 重喜

統計数理研究所

林 知己夫

統計数理研究所

林 文

東洋英和女学院大学

水野 欽司

大学入試センター

村上 征勝

統計数理研究所

吉野 諒三

統計数理研究所