平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−91

専門分類

7

研究課題名

疫学的研究における食物摂取状況の定量的把握方法に関する研究

フリガナ

代表者氏名

マツムラ ヤスヒロ

松村 康弘

ローマ字

所属機関

厚生省国立健康・栄養研究所

所属部局

成人健康・栄養部

職  名

室長

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

予防医学的観点から、ライフスタイルと健康に関する疫学的研究が種々進展しており、ライフスタイルの中でも食生活の重要性が指摘されている。しかし、コホート研究において食物摂取状況を定量的に把握している研究はまれである。本研究では、特定地域における住民の食物摂取状況を定量的かつ簡便に把握し、疫学的研究に対して有用となる方法の開発及び当該方法を用いるためのコンピュータ・プログラム・システムの開発を目的とする。


近年の外食・惣菜品の利用の増加を考慮した際、食事調査においては食品レベルでの調査よりは料理単位での調査が有効であると考えられる。
そのためには、家庭食・外食を含めた料理成分表データベースの作成および各食品・料理のポーションザイズの標準化が必要となる。
そのために、本年度は全国レベルの秤量記録法による食事調査結果をもとにした料理データベースの構築を目的とした。
料理データベースの情報ソースとして、平成7年度国民栄養調査原票を基本とし、当該データをそのままコンピュータにインプットし、料理名、食品名、平均的食品構成量、各栄養素含量(4訂日本食品標準成分表より計算)を項目としたDBのテーブル設計を行った。
DBのコンテンツに関しては食事調査原票データの入力を終え、そのチェックを終えたところである。
これをもとに、各料理の栄養素含量計算を行い、構築したDBへデータ登録を行うところである。
また、当該データベースをインターネットを通じて公開すべく、DBシステムの開発も行っている。
本システム開発計画は、?システム開発仕様検討、?システム開発(プログラミング、テスト)、?システム評価、?データベース構築、及びデータ登録、?Webサーバの立上げ、?Webページ(コンテンツ)作成から成っているが、現在、当初に予定した機能の内、英語表示を除いたプロトタイプDB構築を終え、1次評価を行った。
その結果を踏まえて、さらにシステムの改良を行った。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Y.Matsumura: Methodologic consideration of nutrition interventions, Jpn. J.Cancer Clin. 43(3), 1997
松村康弘、他:各種栄養調査法とわが国の実態,栄養・食生活情報,40,1997
吉池信男、松村康弘、他:BMIによって判定される肥満・やせの程度と合併症の頻度−国民栄養調査データの再解析,肥満研究,4(1),1998


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

食物摂取状況を定量的に把握する方法としては、食物秤量法、想い出し法などがあるが、これらの方法には調査者間の偏り、多大な費用、被調査者に対する多大な負担などの理由から、多人数を対象とする疫学的調査には適用できない欠点がある。したがって、多人数を対象としたコホート研究等においては、食物摂取状況を定量的に把握した調査はまれである。本研究は、三重県度会郡南勢町在住の健常者を対象としたコホート研究において、コホートの内から無作為に抽出した人達の食物摂取調査を1週間にわたって行い、その集計を終え、その結果をもとにして、簡便で、かつ定量的把握が可能な調査票の開発を行っている。平成9年度は、コホート対象者に対して、独自に開発した半定量式食物摂取頻度調査を行い、その有用性、妥当性等を検討する。そのためには、近年の生物統計学の知見が必要とされ、統計数理研究所との共同研究の必要性がある。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

佐藤 俊哉

統計数理研究所

高木 廣文

統計数理研究所