平成302018)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

30−共研−5

分野分類

統計数理研究所内分野分類

e

主要研究分野分類

1

研究課題名

レジーム・スイッチングモデルのレジーム数に関する検定理論の開発

フリガナ

代表者氏名

シモツ カツミ

下津 克己

ローマ字

Shimotsu Katsumi

所属機関

東京大学

所属部局

経済学研究科

職  名

教授

 

 

研究目的と成果の概要

本研究課題は、レジーム・スイッチングモデルにおけるレジームの数に関する新しい統計的推測理論の開発を目的とする。レジーム・スイッチングモデルは、構造変化・非線形性・強従属性などの時系列の特徴をよく記述することができるため、経済学・ファイナンスの分野において非常に幅広く利用されている。

レジーム・スイッチングモデルを使用する際には、レジームの数をデータから決定することが特に重要となる。しかしながら、レジーム・スイッチングモデルの尤度関数は特殊な構造を持つため、レジームの数に関する統計的推測が非常に困難であることが知られていて、実用的な手法は未だに確立されていない。

本研究課題では、レジーム・スイッチングモデルの対数尤度関数の漸近分析手法を確立し、レジームの数に関する統計的推測の実用的な手法として、尤度比検定をブートストラップと組み合わせることを提唱した。大規模なコンピューター・シミュレーションを行い、現実的なサンプルサイズの下で、ブートストラップによる尤度比検定が良好なパフォーマンスを収めることを確認した。