平成101998)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

10−共研−102

専門分類

9

研究課題名

水環境状態認識に於ける大規模シミュレーション利用技術開発とその実証的研究

フリガナ

代表者氏名

カネフジ コウジ

金藤 浩司

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計科学情報センター

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

河川、湖沼、内海水等に存在する様々な化学物質の定量的把握は行政的にも極めて重要な基本的情報である。しかしながら対象それ自体が極めて複雑で相互に影響を及ぼしつつ空間的時間的な広がりと流れを有している。このような中にあって対象に関する認識は決定論的な方法を基本としながらも必然的に統計学的な方法をもってなさざるを得ないものである。このように複雑に絡み合って存在し変化している現象に対して、固定された母集団を想定しての統計的認識のアプローチでは限界があり、規模の大きなシミュレーション技法と統計的認識手法とを結びつけることによって複雑で多様な水環境の認識を深めようとするものである。


環境基準適合性の評価として水質モニタリングとデータ解析について考察した。具体的には,一ヶ月当たり一日で,その一日当たり6時間間隔で4回測定。CODについては75パーセント値,N及びPについては平均値を代表値としている。測定地点としては一つの水域で複数地点(水利用上において重要と判断される複数の地点)を測定し,75パーセントが最大値を示す地点を水域の代表値としており,この水域代表値と基準値とを比較することにより,基準値を達成しているか否かを判断している。主に考察した点は以下の通りである。定められた通りに測定しないことの影響について。最大値を考察の対象とする意味について。水域の代表性をどのように定義するかについて等々。
また,化学肥料による10a当たりの施肥量および窒素施肥量(メーカー出荷量と輸入量の合計を当該年度の延作付面積で割ったもの)の経年変化(昭和59年から平成8年まで)を考察した。75パーセント値で経年変化を判断する意味について,施肥量の経年的減少傾向は正しい判断かなどについて議論を重ねた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

河川、湖沼および内海水などに関する実質科学的な知識の共有化は必須の条件であり、従ってこれら分野の専門家集団との頻繁な研究打ち合わせが条件となる。環境化学や廃液処理などの専門家との研究打ち合わせは地理的条件などから考えて統計数理研究所が適切であり、岡田および藤江が当該専門知識の提供を分担する。大規模シミュレーションから必然的に高性能コンピュータの支援および利用が求められるものであり、また統計学的な方法論の展開が当然のことながら必須条件であり、これら作業を馬場、樋口、金藤が分担する。異なる分野での境界領域に本研究は存在するものであり、全体としてのマネージメントが要求される学問分野であり岩瀬が分担する。尚、進展によって研究分担者の追加の必要性が生じる可能性がある。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

岩瀬 晃盛

広島大学

岡田 光正

広島大学

川崎 能典

統計数理研究所

馬場 康維

統計数理研究所

樋口 知之

統計数理研究所

藤江 幸一

豊橋技術科学大学