平成101998)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

10−共研−78

専門分類

7

研究課題名

神経スパイクデータからの逆問題としての脳の統計モデルの開発

フリガナ

代表者氏名

イバ ユキト

伊庭 幸人

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

多数の電極を用いた電気生理学的実験のデータから脳の働きを探るための統計的手法の開発


複数の電極を用いた電気生理学実験によって、脳内の情報がどのようにコードされているかを探る試みが盛んになっている。特に、いわゆる同期コード説は、情報のコードのされ方が従来考えられていたより動的かつ複雑なものではないかという問題を提起した。この種の問題を実際の実験データに基づいて考察するためには、複雑なコードをどのように解読するかについての方法論が必要である。統計モデルにもとづく推論はこの問題を考える上で有用な枠組みを与えることが期待される。
本年度はこれらの問題をめぐって基礎的な意見の交換と討論を行った。本共同研究は本年度で一応終了するが、伊藤は次年度以降も共同利用登録を行い、より具体的な共同作業に向けて議論を深めて行く予定である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

H. Ito and S. Tsuji Model Dependence in Quantification of Spike Interdependence by Joint Peri-Stimulus Time Histogram Neural Computation, to be published (vol. 12, No. 1, 1999).


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

脳研究においては、多数の微小電極からの同時測定が可能になってきた。その一方で、脳においてどのような形で情報がコードされ、表現されているかについては、十分明らかにされているとはいえない。とくに、いわゆる同期コード説の提唱以来、神経細胞の発火のどのような様相が情報を担っているかについての関心が高まっている。本研究では、こうした問題の解明に寄与するための統計モデルの開発をめざす。初年度である本年度は、必要な基礎知識の交換と既成の方法の評価を中心として議論を行い、来年度以降の研究のための基礎固めを行う予定である。本研究の目的を達成するためは、統計モデルの構成と評価について優れた実績を持つ統計数理研究所と神経科学者の共同研究が不可欠である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊藤 浩之

京都産業大学