平成192007)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

19−共研−2052

分野分類

統計数理研究所内分野分類

j

主要研究分野分類

6

研究課題名

千葉県縄文貝塚モデルと宮城県縄文貝塚モデルの比較

フリガナ

代表者氏名

ウエキ タケシ

植木 武

ローマ字

Ueki, Takeshi

所属機関

共立女子短期大学

所属部局

生活科学科

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

47千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 研究アプローチを、ミクロとマクロに分類するならば、考古学領域では、ほとんど全ての研究がミクロ研究である。マクロ研究は、0.1%にも満たないと言っても大袈裟にはならない。この事実に気づき、意図的にマクロ研究を捜した結果、当該研究が思い当たり、それ以降、ずーと追求してきたテーマである。
 行政単位となる都道府県と市町村が、域内の埋蔵文化財の発掘調査・整理に当たっている。各地域の遺跡や遺物は、長年にわたる表面調査や発掘作業を経て、それなりの情報の蓄積を見てきた。そこでわれわれは、縄文貝塚遺跡に関して最先端の調査をし、結果を発表してきた千葉県と宮城県に注目し、比較研究をしてみようと考えた。
両県の遺跡台帳が入手でき、これをもとにそれぞれのデータベースを作成した。項目ごと(場所、地形、遺物、出土貝等)の集計を行い、各項目の頻度が高いものを集め、県と文化時期(5時期)それぞれの標準モデルと典型モデルを作成した。ところが文化時期モデルは遺跡数に限度があり、従って両県のモデルとも信頼性の面で欠陥があり使用できないと判断した。しかしながら、県モデルは、しっかりとしたサンプル数を基に作成できたので、使用できると判断した。つまり、千葉県と宮城県の県レベルのマクロモデルは、それなりの信頼度の高いものを提示することができた。
次の段階として、マクロレベルでの両県の比較をしたいと考えた。なかなか難しい問題で、簡単には比較できなく頭を抱えているところであるが、ひとつ気づいたことは、出土貝をもとに当時の海岸地帯の生態を比較できるのではなかろうか、という点である。そこで、両県から出土した貝の頻度の高いトップ50の貝を抽出し、それぞれの生息地を調べ、区分けをしている段階である。これらにウェートをつけ数値化をし、最終的にグラフ化できれば面白い比較ができるかも知れないと考えている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

植木 武
1996 「東京湾東岸地方における縄文貝塚の文化期別モデル作成」
人文学と情報処理No.11 pp. 43-63. BS DATA編集. 東京: 勉誠社.

植木 武・村上 征勝
2003 「千葉県貝塚データベース分析(I)−縄文全期と中期−」
日本情報考古学会第16回大会発表要旨pp. 1-17.

植木 武・吉野 諒三・村上 征勝
2005a 「千葉県貝塚データベース分析(II)−縄文後期−」
日本情報考古学会第19回大会発表要旨pp. 57-62.
2005b 「千葉県貝塚データベース分析(III)−縄文晩期−」
日本情報考古学会第20回大会発表要旨pp. 33-34.
2006 「宮城県縄文貝塚−全期一括集計−」
日本情報考古学会講演論文集(22回大会)pp. 57-62.
2007 「宮城県縄文貝塚II−各期集計−」
日本情報考古学会講演論文集(23回大会)3(23): 93-98.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

吉野 諒三

統計数理研究所