平成152003)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

15−共研−2024

専門分類

7

研究課題名

看護職における疲労度解析

フリガナ

代表者氏名

ナカヤマ テルユキ

中山 晃志

ローマ字

Nakayama Teruyuki

所属機関

大分県立看護科学大学

所属部局

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

病院勤務の看護職は,勤務条件が改善されつつある現在においても,身体的かつ精神的に疲労の蓄
積する職種であることに変わりがない。この研究では,疲労の指標として主観的なものと客観的な
ものの両方を考慮し,各指標の有用性,客観的指標と主観的指標の関連性,勤務体制や年齢による
効果等を調べることにより,疲労を短時間で測定できる有益な項目の選択や勤務条件の改善を図っ
ていくことを目的としている。これは看護職の健康管理や労働衛生学的視点からも重要なことであ
ると考えられる。
本研究の目的を理解し,協力が得られた総合病院の交代性勤務に従事する女性看護師186名を対
象にし,各個人に対して1週間の測定を行った。測定項目は,フリッカーテスト,下腿周囲径,足
背周囲径,握力,1位加算テスト(以上,客観的疲労)および質問紙による調査(主観的疲労)で
ある。
客観的な疲労に関して,勤務前と勤務後の測定値の差に関して比較検定を行い,年齢および勤務体制に
よる影響や測定項目の有効性について調べた(論文(1))。また,測定データにおける同一個体の繰り
返しに関しては,ランダム効果モデルを適用することにより個体数効果および観測回数効果の比較
を行った。その結果,どの測定項目においても観測回数効果の影響は少なく,個体効果の方が測定
値に影響していることが分かった。このことより,今後の調査において調査回数を減らすことがで
きるため,協力してもらう看護師の負担も少なくなり,より一層の協力を得られることができると
考えられる。
主観的な疲労に関しては,1週間の勤務の最終日に実施した蓄積的疲労徴候調査の質問紙を用い
て,二交代制勤務と三交代制勤務による疲労度の比較検定を行った(論文(2))。その結果,看護職
の女性は平均的な女性よりも身体的側面で疲労度が高く,精神的測面では低い傾向であることが分
かった。また,二交代制勤務の看護職は,蓄積的疲労の多くの側面において三交代制勤務の看護職
よりも疲労度が低く,二交代制勤務を導入することにより看護職者の疲労の緩和が望める傾向にあ
ることが示唆された。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

(1)佐藤和子,中山晃志:看護職の疲労を客観的に表す指標の検討。保健の科学,45(6),457-462,
2003。
(2)中山晃志,佐藤和子:交代勤務の形態による看護職の蓄積的疲労の相違に関する検討。看護管理,
14(5),2004。(印刷中)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

佐藤 和子

佐賀医科大学部看護学科

藤澤 洋徳

統計数理研究所