平成122000)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

12−共研−1019

専門分類

7

研究課題名

哺乳動物におけるゲノム進化の数理科学的研究

フリガナ

代表者氏名

ワダ ヤスヒコ

和田 康彦

ローマ字

Wada, Yasuhiko

所属機関

佐賀大学

所属部局

農学部

職  名

助教授

所在地

TEL

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E-mail

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研究目的と成果(経過)の概要

家畜の育種改良や医学薬学分野への応用を考える時、遺伝子のクローニングやマッピングは今や必須の技術
となっている。しかしながら、全ての家畜種の各遺伝子についてクローニングとマッピングを行うことは莫大
な経費と時間がかかるために現実的ではない。そこで、全塩基配列が解明されたヒトや遺伝子地図が整備され
ているマウスなどの情報を用いて、家畜の遺伝子の塩基配列や染色体上の位置をある程度予測することができ
れば、大いに有効であると考えられる。そのためには、脊椎動物におけるゲノムの構造と進化について数理科
学的に検討する必要がある。
 そこで、まずEwing and Green(2000)の方法を用いて、理化学研究所から公開されているマウスのEST配列の
情報とGenbank/EMBL/DDBJ上のmRNAの情報からマウスゲノム上の遺伝子数の推定を行った。一致する塩基
が100塩基以上で塩基の一致率が95%以上のものを同一遺伝子と仮定したところ、マウスゲノム上の遺伝子数
は75327と推定された。しかしながら、この推定値は塩基の一致率の敷居値に大きく依存していた。
 また、マウスゲノム上に存在する重複領域についても検討した。5cM以内に存在する相同遺伝子については
タンデムリピートとして1つの遺伝子とカウントし、2つの染色体領域間で5cM以内の間隔で連なって存在し
ている相同遺伝子のペアについて、ゲノム重複領域と見なせるかどうかの統計的な検定を行った。その結果、
27のゲノム重複領域候補を見つけることができた。
 さらに、マウス、ラット、ウシ、ブタ、ニワトリ、ウズラ、ウサギ、アフリカツメガエルなどの脊椎動物に
ついてGenbank/EMBL/DDBJに登録されているmRNAの情報から相同遺伝子を検索し、動物種ごとに遺伝子フ
ァミリーデータベースを構築した。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

学会発表
Wada,Y.and T.Imanishi(2000)"Estimating the number of mouse genes and the duplicated regions within the
mouse genome",Genome Informatics 2000,p.327-328
ホームページ
マウスゲノム重複領域データベース
http://genome.ag.saga-u.ac.jp/genome/duplicate/mouse/index.html
脊椎動物遺伝子ファミリーデータベース
http://genome.ag.saga-u.ac.jp/genome/genefamily/index.html

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

柏木 宣久

統計数理研究所

岸野 洋久

東京大学