平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−56

専門分類

5

研究課題名

静的および動的臨界現象の数値的研究

フリガナ

代表者氏名

オノ イクオ

小野  郎

ローマ字

所属機関

日本女子大学

所属部局

理学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

面心立方格子上のhard-sphere latticegasの相転移をモンテカルロ法で調べる。拡張3状態ポッツ模型のぬれ転移の界面吸着量を数値的に計算する。


面心立方格子上のhard-sphere lattice gasの相転移をモンテカルロ・シミュレーションと有限サイズ・スケーリングで調べた. 定性的にかなり強い一次相転移であることがわかった.
蜂の巣格子上のhard-sphere lattice gasの相転移と臨界現象を転送行列法と有限サイズ・スケーリングで調べた.界面の長さの有限サイズ・スケーリングの理論式を提案した.有限な正方格子における理論式に関しては,スーパーコンピュータを用いた確認の計算を行った.転送行列法によって数値的な厳密解を求めた結果,その数値は理論式とよく一致していた.ぬれ転移を示す模型において,その転移点を決定する場合に,この理論式と計算法が有効であることを示す結果を得た.
液晶相転移の分子動力学シミュレーションを行った.剛体球を団子状につないだ模型で棒状分子を表わし,種々の分子濃度で調べた.分子の配向分布,分子の重心の分布を調べ,等方相,ネマッチック相,スメクチック相の転移が見出された.完全秩序相から始めると,コラムナー相も出現した.しかし,これが安定的な相であるかを確かめることはできなかった.


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

A.Yamagata Universality in the three-dimensional hard-sphere lattice
gas' Physica A,231(1996)495
八幡 尚・小野■郎:剛体球鎖による液晶の分子動力学シミュレーション
日本物理学会秋の分科会 1996年10月2日
加園克己,ポッツ模型におけるぬれ転移の秩序変数の有限サイズスケーリング,
日本物理学会,1996年10月3日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

面心立方格子上のhard-sphere latticegas模型の基底状態の配位を特定し、相転移の次数を確かめたい。方法はモンテカルロ法を用いる。これには、スーパーコンピュータでの長時間ジョブが必要となる。正方格子上の3状態ポッツ模型の相図は、一次転移と二次転移を含むことを予想するに至った。界面吸着量を計算することで、これを確かめることが可能となる。貴研究所のコンピュータの記憶容量を用いるとこの計算を実行できる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

尾関 之康

東京工業大学

加園 克巳

東京慈恵会医科大学

田口 善弘

中央大学

田村 義保

統計数理研究所

山縣 敦

日本女子大学