平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−38

専門分類

3

研究課題名

人間乱数の研究

フリガナ

代表者氏名

イバ ユキト

伊庭 幸人

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

できるだけランダムに数字を言う(書く)場合に、どのような規則性が生じうるかを調べる。


被験者にできるだけデタラメに数字を書かせた際に生じる数列の規則性について研究した。この課題は被験者にランダムに振舞うことを要求することによって、暗黙のうちに無数の規則を考慮せざるを得ないような状況を設定する点に特徴がある。
昨年までの共同研究では村上公克)(1973)らの方法に従い、時間を決めて0から9までの数字を書かせる実験を行い、各数字の頻度および数列中で隣接する対の差の頻度を調べた。
本共同研究では、さらに解析を進めるとともに、マルコフ連鎖の遷移確率に制限を加えたモデルによるフィッティングを検討した。データの規則性は、1次のマルコフ連鎖の遷移確率に「数字の出現しやすさがその数字の種類と直前の数字との差で決まる」という条件を課したモデルである程度説明されるが、高次の系統的な残差や個人に特徴的な残差もみられることがわかった。
また、この課題についての先行研究の調査も行い、内容について討論した。はじめの予定では、追加の実験を行うことを計画していたが、諸般の事情により新たなデータの採取を行うことはできなかった。
本共同研究の成果は、以前からの結果とともに、飯塚で行われたソフトコンピューティングに関する国際会議(IIZUKA'96)の認知科学セッションにおいて発表され、論文の内容は同会議の報告書に掲載された。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Y.Iba and M.Tanaka-Yamawaki,A Statistical Analysis of Human Random Number Generators, Proceedings of the 4th International Conference on Soft Computing, Vol.2, pp.467-472, World Scientific,1996.


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

0〜9及び0、1の数字を被験者に「できるだけランダムに」言う(又は打つ、書く)ように要求し、その結果を統計的方法により解析する。またこのような数列、シンボル列を解析するための統計的手法を開発する。予備的な研究により、すでにいくつかの結果が得られているが、アルバイトを活用するなどの方法でより系統的にデータを採取したいと考えている。数列、シンボル列の解析のための手法を開発・実行する上で統計数理研究所の研究者の協力および計算機資源の利用が不可欠である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

田中 美栄子

椙山女学園大学