平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−16

専門分類

1

研究課題名

外的基準を持たない多次元データに対する曲線当てはめについて

フリガナ

代表者氏名

ミズタ マサヒロ

水田 正弘

ローマ字

所属機関

北海道大学

所属部局

大学院工学研究科

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

各変量が説明変量と目的変量に分けることが可能な場合には、回帰分析や多変量回帰分析法によりデータに曲線を当てはめ、データの有する構造を記述・解析することができる。しかし、外的基準を持たないデータに対する曲線当てはめについては、それほど研究がなされていない。そこで、この種のデータに対する解析法の開発を目的とする。


外的基準を持たない多次元データの構造の探索的解析法として、曲線当てはめを中心に研究を進めた。外的基準を持つデータに対する曲線当てはめ法としては、目的変数との関数関係を仮定する(重)回帰分析や明確な関数関係を仮定しない平滑化など数多くの手法が提案されている。しかし、外的基準を持たないデータに対してはこれらの手法は利用できない。
前回までの共同研究においては、媒介変数を用いた曲線である Principal Curves について研究してきた。今回の研究では陰関数により定義される曲線・曲面を利用して、データを当てはめる方法を検討した。さらに、3次元以上の空間におけるデータ点および曲線・曲面の表示方法も考察した。
具体的には、(1)データ点との距離の2乗和が最小となる代数曲線の導出法、(2)データ点との距離の2乗和が最小となる代数曲面の導出法、(3)有界な代数曲線・曲面の利用法、(4)動的な対散布図によるグラフィカルな表現法、(5)代数曲線当てはめによる数量化3類の解釈法、などについて研究を進めた。
これらの成果については、学会または論文誌により報告するとともに、プログラムなどを公開することも検討している。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

水田正弘,動的な対散布図の提案とその実現について、計算機統計学,7・2,(印刷中)

小山一人・水田正弘・佐藤義治,数量化3類による構造解析への空間曲線当てはめの利用,第62回日本統計学会,1994年7月24日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

多変量データが有する構造には多様な非線形構造が考えられるが、本研究では、曲線や曲面の近くに分布していると仮定できる構造を有するデータを中心に扱う。特に、Principal curvesの概念に基づいた曲線の当てはめおよび、その拡張である曲面当てはめを利用して、複雑な構造を有するデータの解析法を検討する。
統数研の馬場助教授は従来から角度データの解析についての研究成果があり、その基礎のもとに種々のデータ解析法の研究・開発を行ってきた。また北海道大学の水田助教授は曲面的構造を解析する方法を研究・改良している。そこで両者の共同研究によって非線形構造を統一的に解析するための基礎理論の構築を目指すことができる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

馬場 康維

統計数理研究所

南 弘征

小樽商科大学