平成252013)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

25−共研−2062

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

3

研究課題名

疾患のCT値を利用した鑑別診断についての研究

フリガナ

代表者氏名

イケシマ アツシ

池島 厚

ローマ字

ikeshima atsushi

所属機関

日本大学松戸歯学部

所属部局

放射線学講座

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

1千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

歯の根尖部、埋伏歯歯冠および上下顎骨にそれぞれ発生する疾患に分類し、各症例のCT値や面積、時には発生部位の位置(正中からの距離)等をパラメーターとして判別分析を施行した。歯根嚢胞、歯根肉芽腫、含歯性嚢胞、エナメル上皮腫、角化嚢胞性歯原性腫瘍は症例数が多く、比較的信頼できる分析が行えた。しかし、歯牙腫(複雑型と集合型)、骨形成線維腫、骨性異形成症は症例数が少なく、分析は施行できたが、やや信頼性欠ける結果となった。
 具体的な結果については、根尖部に発生する疾患の判別分析で、歯根嚢胞の正判別率が64.7%、歯根肉芽腫が75%であった。埋伏歯歯冠に発生する疾患で、含歯性嚢胞の正判別率が80.8%、含歯性のエナメル上皮腫が42.9%、含歯性の角化嚢胞性歯原性腫瘍が30%であった。上顎骨に発生する疾患で、鼻口蓋管嚢胞の正判別率が100%、術後性上顎嚢胞が72.2%、角化嚢胞性歯原性腫瘍が28.6%、原始性嚢胞が6.7%であった。下顎骨に発生する疾患で、原始性嚢胞の正判別率が66.7%、エナメル上皮腫が52.9%、角化嚢胞性歯原性腫瘍が29.4%であった。歯牙腫の判別分析で、複雑型および集合型とも100%の正判別率であった。さらに、上下顎骨の発生する高CT値を示す疾患で、骨形成線維腫の正判別率が83.3%、骨性異形成症が71.4%、腐骨が29.4%であった。
 症例数の少ない疾患については、今後症例数を増やして再分析するべきであると考えている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1.池島 厚:歯根嚢胞と歯根肉芽腫との鑑別点について(第4報).第15回臨床画像大会 抄録集35,2010
2.池島 厚:含歯性のエナメル上皮腫および角化嚢胞性歯原性腫瘍と含歯性嚢胞の鑑別点 について.第17回臨床画像大会抄録集87,2012

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

なし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

田村 義保

統計数理研究所