平成222010)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

22−共研−15

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

3

研究課題名

データ同化による細胞内ネットワークシミュレーションモデル構築の研究

フリガナ

代表者氏名

ハセガワ タカノリ

長谷川 嵩矩

ローマ字

HASEGAWA TAKANORI

所属機関

東京大学医科学研究所

所属部局

ヒトゲノム解析センター

職  名

修士課程1年

 

 

研究目的と成果の概要

本研究において利用した小規模ネットワークは, Richard et al. (2005) が生物学的知見に基づいて作成した6つの遺伝子ネットワークを改変, 拡張することで作成した58パターンのネットワークモデルである. 解析に利用したマイクロアレイデータはラット (Adrenalectomized (ADX) ラット, (副腎を摘出したラット))の細胞に副腎皮質ホルモンであるグルココルチコイド
(Methylprednisolone(MLP)/メチルプレドニゾロン(合成副腎皮質ステロイド), (50mg/kg)
を暴露し計測した時系列マイクロアレイデータであり, 肝臓, 腎臓, 筋肉によって取得されている. これらの時系列データを用い, 8799遺伝子についてデータ同化を行い, シミュレーションモデルを自動構築する. さらに各遺伝子について, どのモデルが最適かモデル選択により明らかにする. しかしながら, その計算量は膨大なものとなる為, 統計数理研究所の電子計算機を利用させて頂きたく, 登録を申請しました.
本年度は上記の通り研究行い、その詳細はT. Hasegawa et al. (2011) Comprehensive pharmacogenomic pathway screening by data assimilation, Proc. 7th International Symposium on Bioinformatics Research and Applications (ISBRA2011). において発表することになっています。簡潔に研究成果をまとめると、前研究を雛形にして作成したラットの生体内58 pathway modelと8799 genesの全てのパターンマッチングを行い、前研究によって提唱されているpathwayより優れていると判断されるpathway modelの探索、並びに58modelに極めて高いマッチングが検出された遺伝子を抽出し、その生物学的意味合いを推定しました。