平成222010)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

22−共研−1015

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

4

研究課題名

複雑系の相転移の数値的研究

フリガナ

代表者氏名

カソノ カツミ

加園 克己

ローマ字

KASONO Katsumi

所属機関

東京慈恵会医科大学

所属部局

医学部医学科

職  名

講師

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

目的: 有限温度における液晶相や磁気相を、ある秩序状態から別の秩序状態へと緩和させる
   非平衡緩和シミュレーションを行う.これより,平衡状態のにおける相転移点や臨界
   指数などを,計算時間数に応じて,詳しく知る事ができる.
経過と成果: 10状態ポッツ模型(1次相転移)の転移温度Ttにおける秩序変数は,Ttより
高温側(Tt+0)で正の有限値(Δm),低温側(Tt-0)ではゼロとなり,飛びを示す.Δm
   を正しく計算できる方法を考案し,実行した.正方格子(16384x16384)において
   Swendsen-Wang法モンテカルロシミュレーションを行い,完全強磁性状態(相1)
   からスターとして緩和させた場合の秩序変数m1(t)と無秩序状態(相2)から緩和
   させたm2(t)を計算した(tはモンテカルロステップ数).今回は相1,相2を濃度
   c:(1-c)に混合した初期条件(MPI)を採用し,cを無作為に多数選ぶ.秩序変数
   m(c,m1(t),m2(t))の,平衡値m(c,m1(∞),m2(∞))への近づき方は,cによりラン
   ダムに分布しているため,cを変数とし,m(c,m1(t),m2(t))に対し最小二乗法を
   適用すると,m(c,m1(∞),m2(∞))をうまく算出できる.正方格子のΔmについて
   は数学的厳密解が知られており,今回の数値は厳密解と5桁の精度で一致した.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

加園克己.クラスターモンテカルロ法を用いた一次相転移の解析II
日本物理学会第66回年次大会.新潟,3月.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

小野 いく郎

東京工業大学

田村 義保

統計数理研究所