昭和631988)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

63−共研−38

専門分類

5

研究課題名

雑音と線形応答の数理的研究

フリガナ

代表者氏名

タムラ ヨシヤス

田村 義保

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計計算開発センター

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

13 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

線形応答の統計力学の数学的(確率過程論)な枠組みを明らかにする。すなわち,線形応答理論におけるいくつかの仮定の間の関係(独立性など)とその仮定の一般化について明らかにする。さらに,一般システム論として応答とゆらぎの統計数理的関係を明らかにする。


共同研究実施状況
異なる分野の研究者(確率過程論,物性理論,統計力学,統計数理,システム工学)が共通の問題である線形応答の研究について議論を交し,理論を発展させるという目的で計画された研究である。62年度は,結合した振動子の動的ふるまいについての研究を新たに始めるとともに,全員が統計数理研究所に集り,議論を行った。
研究成果
異なる分野で共通する問題を扱っている研究者が,それぞれの分野での最新の話題,成果を報告し,議論することにより,線形応答に対する理解を深めることに成功しつつある。
本年度は,原子炉の動きを見るためのAR的モデルと物理学的モデルとを結びつけることに寄与することができた。
また,結合した振動子のふるまいを研究することで,脳の記憶機構についての理解を深めることができた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

岸田邦治 統計数理36巻2号(1988)167−184
自己回帰型モデルの極とその重みについて
−−情報の縮約の観点から−−


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

本研究は,異なる分野の研究者(確率過程論,物性理論,統計力学,統計学,システム工学)がゆらぎ(雑音)と線形応答についての数理的研究を共同で行うというものである。61年度以降の共同研究で見え出した各分野に共通する概念を,より明確にするための研究を継続する。このために,純粋に理学的な側面に絞るのではなく,線形応答理論が,線形な時系列解析と多くの類似点を持つことから,単に熱力学的体系の問題に限らず,一般の系の雑音と応答の問題にも触れたいと思っている。このような各分野の接点となることができるのは統計数理研究所しかないものと考えられる。
具体例の解析に計算機を必要とする。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

有光 敏彦

筑波大学

岡部 靖憲

東京大学

小野 雅也

東京工業大学大学院

岸田 邦治

岐阜大学

北原 和夫

東京工業大学

椎野 正寿

東京工業大学

志賀 徳造

東京工業大学

篠原 昌彦

東京女子大学

柴田 文明

お茶の水女子大学

高須 昌子

金沢大学

宮下 精二

京都大学

宗像 豊哲

京都大学