平成111999)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

11−共研−2058

専門分類

8

研究課題名

複数の心理学領域の自由回答調査の統計解析

フリガナ

代表者氏名

ドイ キヨハル

土井 聖陽

ローマ字

Doi Kiyoharu

所属機関

宮崎産業経営大学

所属部局

経営学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

研究目的
 心理学領域における文章データは、心理概念に直接的に関係する場合が多いが、K-J法的な分類
を行うか、先験的なコードに基づくアフターコーディング済みデータとして主に処理されていた。ま
た、自然言語処理的な研究法の適用は、個々の単語や文章そのものの意味よりも背景にある実体のな
い構成概念を研究対象にしているために制約されていた。このような心理文章データに対して、テキ
ストファイル化した後に分かち書きを施し、回答者と単語そして属性・項目反応との関連を検討する
方法論は、回答者と心理概念の関係の検討に適していると考えられた。
成果(経過)
 まず、成功回避動機に関する投影法文章データの解析では、項目反応で高い達成動機を示す回答者
群が成功回避と伝統的、先入観的な性役割観を示す単語を特徴的に使用しており、特に性役割観に関
しては、文脈や談話ではなくクラスター化による単語の分類を基盤に語用論的な解釈がなされた。投
影法では、回答者は刺激文の意味を理解せずに回答することを求められ、さらに回答者の無意識的反
応も測定対象になっており、使用された単語の意味はその語用論的解釈が重要になる。
 次に、疲労感やストレス反応に関する自由回答データの解析では、疲労感やストレス反応による攻
撃性に関する語とそれらに対応する回答者の分類が得られた。疲労感や攻撃性に関する項目反応結果
とは必ずしも整合的ではないことから、自由回答と項目との測定対象の違いが示唆された。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

稲岡文昭(1988),Burnout現象とBurnoutスケール,看護研究,第21巻第2号,pp.27-36。
文部省(1998),子どもの体験活動等に関するアンケート調査の実施について 文部省。
大隅 昇(2000),InfoMiner with WinAiBASE,チュートリアル。
吉竹 博(1973),改訂産業疲労?自覚症状からのアプローチ?,労働科学研究所。
労働科学研究所(1972),労研・適性検査の手引き,労働科学研究所。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大隅 昇

統計数理研究所

川浦 康至

横浜市立大学

竹村 和久

筑波大学

辻本 英夫

大阪市立大学

福井 誠

甲子園大学

吉村 宰

岡山大学