平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−84

専門分類

9

研究課題名

安全性評価における統計解析−Separate推測−

フリガナ

代表者氏名

ヤナギモト タケミ

柳本 武美

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

9 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

安全性試験においてはデータの蓄積が進んでいる。蓄積されたデータを有効に利用することが現時点での重要な研究テーマである。この問題について実際的な観点から研究を進める。特に多数の母数を扱うためのSeparate推測に取り組む。


具体的な研究としては柳本−藤野によるベータ分布の推論の研究がある。元々の動機は生理学的な研究にあったが、用量評価のためのSeparate推測の問題としてとらえた。勿論密度の厳密な分解は成り立たないので近似的なSeparate推測となる。平均値をモーメント法で推定し、これに基づいて拡散母数の推測理論を構成した。
林は新しい実験系に伴う統計処理の方法を検討している。別個に勉強会を開いて、その方法についての討論を行った。西井と柳本はSeparate推論に現れる符号化尤度比検定の構成に関する研究を行った。正規化変換の有用性についても研究した。
柳本は共同研究のテーマである安全性の評価を念頭において、統計的検定の基本的な性格についての論考を行った。近年に注目されている探索的データ解析との関連で基本的な考察を行い実際的な有用性がはっきりしないことを指摘した。また安全性の評価と有効性の判定を同時に同じ考え方で判断できる程成熟した論理は検定しかないことを注意した。
山本が参加しているヒ素の人体影響について、特にこのテーマには関係なしに、研究討論を行った。この共同研究での大きなインパクトは5月に東京大学で開催されたトキシコロジーにおける統計手法に関する国際会議である。関連研究者が来日して研究討論を行うことができた。また山本−柳本、および林は研究報告を行った。また以前に共同研究に加わっていたKrewski氏が来所し、研究討論を行った。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

山本英二、柳本武美 Statistical methods for the beta-binomial model.Submitted


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

本年度は毒性試験の統計処理に関する国際シンポジウムが5月に予定されている。統計学の研究者及び毒性研究者の関心がこのテーマに向かうことが期待される。
具体的なテーマとしてはベータ分布及びベータ2項分布における推論の具体的な構築を試みる。このテーマはこの共同研究で開発してきた方向の1つの成果であると期待される。基本的にはSeparate推測とモーメント推測の融合にある。データへの適用を併せて行なう。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

津田 敏秀

岡山大学

椿 広計

筑波大学

西井 龍映

広島大学

林 眞

衛生試験所

藤田 正一郎

放射線影響研究所

藤野 和建

長岡技術科学大学

松尾 精彦

大阪大学

山本 英二

岡山理科大学