平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−93

専門分類

8

研究課題名

「日本人の国民性」の統計的研究

フリガナ

代表者氏名

サカモト ヨシユキ

坂元 慶行

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

12 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

1993年秋に実施した「第9次日本人の国民性調査」のデータが分析可能な状況になったので、第1次調査(1953年)〜第8次調査(1988年)までの過去8回の調査結果の流れの中で、この調査の結果を分析し、戦後日本の意識動向と最近の特質を明らかにする。


「日本人の国民性調査」は、日本人のものの見方や考え方が、社会的な属性によってどう違うか、過去数十年の間にどう変わってきたかを、計量的方法で分析し、日本人の意識の特徴を明らかにするとともに、それを通じて、新しい統計的手法開発の契機を得ようとするものである。このため、昭和28年から5年毎に、戦後昭和期に8回の全国調査を実施し、1993年(平成5年)10月に第9回目の調査を行なった。
戦後昭和期の8回の調査から、たとえば、 (1)政治・社会・生活などに関する意見は大きく変わったが、身近かな人間関係に関する意識はあまり変化しなかったこと
(2)戦後日本人の意識は、第1次石油危機などの起きた1970年代初めを転機として、それまでの近代化が反転する伝統回帰的現象が見られたこと 等、重要な事実を見いだすことができた。
しかし、現在は、これら、近代化、伝統回帰的現象をも超えた新たな次元の意識状況にあり、その意識動向の基軸を解明することが課題であった。
そこで、今年度は、9回の調査データを総合的に分析して7編の論文を執筆した。端的に言えば、1970年代以後の意識動向の特徴は人々の価値や視界が私生活に集中してきた点にあるように思われる。なお、より詳細な分析結果については、下記「研究発表欄」の文献を参照されたい。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

坂元 慶行、他7編,「特集 日本人の国民性調査」,『統計数理』,第43巻第1号 1995年7月
統計数理研究所国民性調査委員会,「第9次 日本人の国民性調査 結果の概要」,新聞各紙,1994年7月17日号
坂元 慶行、他6編 「統計データに見る日本人の意識」 日本統計学会 1995年7月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

<研究内容>1953年の第1次全国調査〜1993年の第9次全国調査の結果を総合的に分析・討論し、戦後日本の意識動向と最近の特徴について明らかにし、結果を種々の形で公表する。
<共同研究の必要性>継続的な調査研究を成功させるためには、研究の継続性を保ちながら、他方で、その枠組みを拡充・展開していくことが重要である。この調査研究の今後一層の展開のためには、「日本人の国民性調査」を第1回調査から推進してきた林・西平を初めとする諸先輩の参加が是非必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

駒澤 勉

統計数理研究所

鈴木 義一郎

統計数理研究所

鈴木 達三

帝京平成大学

高木 廣文

統計数理研究所

中村 隆

統計数理研究所

西平 重喜

統計数理研究所

馬場 康維

統計数理研究所

林 知己夫

統計数理研究所

林 文

東洋英和女学院大学

村上 征勝

統計数理研究所

吉野 諒三

統計数理研究所