平成71995)年度 共同研究B実施報告書

 

課題番号

7−共研−7

専門分類

4

研究課題名

共分散構造分析による7カ国の意識構造の比較研究

フリガナ

代表者氏名

カマノ サオリ

釜野 さおり

ローマ字

所属機関

国立社会保障・人口問題研究所

所属部局

人口動向研究部

職  名

第2室長

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究の目的は社会学的観点から異なる国々の意識の構造を分析し比較することである。特に、それぞれの国においての「国民性」と称する現象の構造を解明し、異なる社会、異なる属性ごとにその構造がどう変わってくるのかを理論的に検討する。また共分散構造分析を社会調査データの国際比較分析に適用することの効用を検証する。


本研究では、1987年から1993年にかけて統計数理研究所が実施した7カ国の意識調査データを共分散構造分析法を用いて分析した。研究開始時点では、調査に使われた質問項目を、tradionalism/non-traditionalism, materialism/non-materalism, sense of alienationなどのdimensionを指標していると考えて、これらのdimension間の関連を共分散構造モデルで表現し、国間の相違を検討する計画であった。しかし、様々な試みの末、結局は、不安感に関する5項目を使って、社会に関する不安と個人生活に関する不安との2因子のみから成るモデルに行き着いた。この2因子間の関連ならびに各指標と潜在変数との関連を7カ国で比較した。
本研究を通して、研究参加者達が以前行った研究(例えば若者の麻薬使用に関する調査データの分析や一般調査の中からジェンダーに関する項目に絞っての分析等)とは異なり、既に収集された「国民性」の調査データから、ある概念を指標する目的でつくられたものではない項目同士をそれに見立てて、共分散構造分析を適用し、数多くの項目から成る複雑なモデルを作ることは容易でないことを学んだ。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

統計数理研究所によって収集された7カ国の意識調査データを利用し、「国民性」と称する理論的な概念が様々な指標によってどの程度的確に表現されているか、また「国民性」を成す様々なサブ現象が互いにどう関連しあっているのかを分析する。共分散構造分析法を用いて意識構造を国別、属性別、さらに各国において属性別にモデル化し、その相違を社会学的観点から検討する。データ解析には柔軟性と応用性に富んだEQS Structural Equations Programを使用する。この種の分析の知識と経験の豊富なHertingとKhorと共同に本研究を実施することは統計数理研究所にとって有益な成果が期待できよう。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

Khor Diana

法政大学

Herting Jerald.R

Stanford University